The Monkees (ザ・モンキーズ) Head Delux Edition 3CD

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 米国の復刻専門レーベルRhino Records傘下の通販専用レーベルRhino Handmadeが、コアなファン(マニア)向けにデラックス盤を連発している。
 前回のThe Birds, The Bees & The Monkeesに続き、今回はThe MonkeesのHeadのDelux Edition(3CD)についてレビューしよう。
 日本ではRhino Handmade盤はWarner Music Directがほぼ独占的に輸入販売をしているのだが、不思議なことにThe Birds, The Bees & The Monkeesは取り扱っていないし、逆にHeadは名古屋のTower Recordsに3セットも積んであるのを見た。(ただし、値段は10,000円前後)
 前者は人気があるので日本まで割り当てが回ってこなかったのか、後者は人気がないので販売ルートが拡大されたのか理由はよく分からない。

 94年から95年にRhino Recordsから復刻されたオリジナル・アルバムは全て持っている。
 しかし、興味があるのは5thアルバムThe Birds, The Bees & The Monkeesまでであり、Head以降は開封してさえいない。
 要するにアルバムとしては聴いたことがないし、今さら開封する気にもなれない。
 
 Headは映画館で放映された唯一の作品Headのサウンドトラックである。
 映画Headは68年11月6日公開された。



 私は見たことが無いのだが、脚本はThe MonkeesのTVシリーズを手がけたBob RafelsonとJack Nicholsonであり、Bobは監督も務めている。
 映画は斬新かつ難解な内容のところ公開用に大幅にカットされたため更に難解となり、興行的には失敗だった。
 しかし、ここからの報酬と人脈がいわゆるアメリカン・ニュー・シネマの代表作であるEasy Rider(69年7月公開)やFive Easy Pieces(70年9月公開)へとつながって行く。 


 
 サウンドトラックはThe Monkeesの6thアルバムに当たり、解散前にPeter Yorkが参加した最後のオリジナル・アルバムとなった。
 サウンドトラック盤でありながら映画の公開に遅れて、68年12月1日に発売された。
 12月はクリスマス・シーズンに向けて特別な動きがある月であり、老・若・男・女・家族向けに数々の企画が入り乱れるため、ビッグ・チャンスでもあるが戦略的にはかなり難しい時期に当たる。
 ただでさえ難しい時期に、映画の公開に合わせて勝負をかけざるを得なかった。
 1年前ならまだしも、人気が下降し始めていたThe Monkeesにとっては、かなりヒヤヒヤな選択だったと思う。
 致命的だったのは、12月には映画の興行不調から上映打ち切りが相次ぎ、クリスマス用の映画に乗り換えが始まってしまったことだ。
 ひょっとすると、アルバムの発売がもう少しずれ込んでいたら、映画の不振(失敗)によりアルバム発売自体が中止となっていたかも知れない。

 結局はThe Monkeesにとって売上が100万枚を下回った初のアルバムとなってしまった(最高45位)。
 映画の興行不振に足を引っ張られただけで、アルバムの内容は素晴らしいと言えればよいのだが、ちょっと微妙だ。
 これ、オリジナル・アルバムと呼んで良いのだろうか?
 サウンドトラックの名を借りた企画ものという感じだ。
 何か斬新な事をやってやろうという意気込みはわかるのだが…。
 悪乗りしたラジオ・ドラマみたいな感じ。

 サウンド・コラージュやレコード盤の「ピチッ、パチツ」というノイズ。
 音が途切れたり、スピードが不安定になったり。
 初めて聴いた時は、いわゆる「奇をてらった作品」という印象を受けた。

 でも、待てよ?
 サウンドトラック自体、ある種究極のコンセプト・アルバムであることを思い出した。
 オリジナル・アルバムとして単独で評価に値するかは別として、
 映画の存在を前提としたサウンドトラックなら、こういのも有りかもね。

 音響効果が出しゃばり過ぎて、迷彩がかかってしまっているが、
 実際のところ、良い素材も多数含まれている。





 台詞やサウンド・コラージュを取り去ったヴァージョンを聴いてみると、
 印象はかなり良い方向に変わる。
 今回聴き比べした01年発売の4枚組Music Boxに数曲収録されている。

Music Box
Rhino
2009-03-24
Monkees

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 Disc3に以下の7曲が収録されている。
 15."Porpoise Song" (single version)
 16."As We Go Along"
 17."Ditty Diego - War Chant"
 18."Circle Sky" (live)
 19."Can You Dig It"
 20."Daddy's Song" (previously unreleased version)
 21."Long Title: Do I Have to Do This All Over Again"
 
 上記7曲を聴いてみると素材の素晴らしさに気が付かされる。
 聴き比べでは今回のデラックス盤はオリジナルStereoミックスを採用しているため劇的ではないが、音質は改善されている。ただし、アルバムを通してとにかく騒々しい印象がする。
 68年の米国録音にしては音質は貧弱な感じはするが、他のアルバムも含めてThe Monkeesの録音はお世辞にも良質とは言えない。
 だから、リマスター盤が出るたびに音質改善を期待して買ってしまうのである。

 ただし、今回のデラックス盤の売りは大量の別テイクは未発表テイクの収録だ。
 Disc3はラジオ出演時のインタビューが中心だが、その他の収録曲は以下のとおり。
 
 Disc 1: Original LP... Plus
 15."Porpoise Song" (Alternate Stereo Mix)
 16."Ditty Diego - War Chant" (Alternate Stereo Mix)
 17."Circle Sky" (Alternate Stereo Mix)
 18."Can You Dig It?" (Peter's Vocal - Stereo Rough Mix (Previously Unissued))
 19."As We Go Along" (Alternate Stereo Mix)
 20."Daddy Song" (Remix with slow verse (Previously Unissued))
 21."Long Title: Do I Have to Do This All Over Again?" (Alternate Stereo Mix)
 22."Swami--Plus Strings, Etc." (Alternate Stereo Mix (Previously Unissued))
 23."Happy Birthday to You" (Alternate Stero Mix)
 24."Ditty Diego" (Jack Nicholson, Robert Rafelson) (Previously Unissued - Excerpts issued in 1995 release)
[edit]

  Disc 2: Outtakes and Rarities
 1."Head Promo 'Coming Soon'"
 2."Porpoise Song" (Mono Single Mix)
 3."Ditty Diego - War Chant" (Mono Mix - Previously Unissued)
 4."Circle Sky" (Mono Mix - Previously Unissued)
 5."Can You Dig It?" (Mono Mix - Previously Unissued)
 6."As We Go Along" (Mono Single Mix)
 7."Daddy's Song" (Mono Mix - Previously Unissued)
 8."Long Title: Do I Have to Do This All Over Again?" (Mono Mix - Previously Unissued)
 9."Porpoise Song" (Rough Mono Mix - Previously Unissued)
 10."Ditty Diego" (Alternate Version - Previously Unissued)
 11."Circle Sky" (Alternate Mono Mix - Previously Unissued)
 12."Can You Dig It?" (Peter's Vocal)
 13."Daddy's Song" (Mike's Vocal)
 14."Long Title: Do I Have to Do This All Over Again?" (Rough Mix Acetate - Previously Unissued)
 15."Can You Dig It?" (Mono Movie Mix - Previously Unissued)
 16."Daddy's Song" (Mono Movie Mix - Previously Unissued)
 17."Head Promo 'Now Playing'"
 18."Introduction to Live Show" (Recorded in Salt Lake City: May 17, 1968 - Previously Unissued)
 19."You Just May Be the One" (Live) (Michael Nesmith) (Recorded in Salt Lake City: May 17, 1968 - Previously Unissued)
 20."Sunny Girlfriend" (Live) (Michael Nesmith) (Recorded in Salt Lake City: May 17, 1968 - Previously Unissued)
 21."You Told Me" (Live) (Michael Nesmith) (Recorded in Salt Lake City: May 17, 1968 - Previously Unissued)
 22."Circle Sky" (Live)
 23."Califonia, Here It Comes" (Buddy DeSylva, Al Jolson, Joseph Meyer) (The same one used in the ending of the 33 1/3 Revolutions Per Monkee special)

 Disc1の24. Ditty Diegoなどは22分55秒も収録されている。
 一体、どうしたらドラッグやアルコールもなしに、大人がこんなにも馬鹿騒ぎしてはしゃげるのか不思議だ。
 68年の米国でミュージシャンがドラッグと無縁でいられたなんて七不思議だ。
 関わりがあったと思う方が自然だ。

 Disc2には大量のMonoヴァージョンが収録されているが、サウンド・コラージュ等の音響効果が加えられていないので非常に聴き易い。
 米国ではHeadからStereo盤のみでMono盤は発売されなくなっており、今回収録されているのはMonoシングルや映画用のMonoミックスが音源となっている。
 騒々しさが全くなく、安心してじっくり聴くことができた。
 気持ち良いぞ!
 Disc2こそが、今回のデラックス盤のハイライトだと思う。


 それと写真満載のブックレットが付属しているし、ワーナー・ミュージック・ダイレクト盤には日本語訳が付いてる!(なのに値段は5,800円)

 それと、アナログ7インチ・シングルがボーナスとして付属している。
 A面 "Porpoise Song"(unreleased instrumental version)
 B面 "As We Go Along."(unreleased instrumental version)

 あと、このコマーシャルに登場した男性の顔のバッジが付いている。↓

 

 個人的にはMonoミックスや68年5月17日のSalt Lake Cityでのライブ音源3曲(+MC)を収録したDisc2が最大の収穫だったと思う。

 このデラックス盤は今後も続くのだろうか?
 順番で行けば、次はInstant Replayか…。
 どうなることやら。

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