Johnny Tillotson (ジョニー・ティロットソン) The Outtakes 2CD

独Bear Family RecordsよりJohnny Tillotsonのアウト・テイク集が発売された。
熊家族と言えばLPサイズ大の豪華Boxが看板商品なのだが、この没テイク集はそのBoxを補完するような存在だ。
今までにも何セットか発売されており、まずは持っているものを紹介したい。
(赤字が実際に持っているもの)
◎The Everly Brothers
Classic 1955-6 (3CD)
↑Cadence音源がメインなのだが、3枚組の割には価格が高いのと、既にほぼコンプリートに揃えているので購入は見送った。
仏Amazonが1番安そうなので、送料込みで6,000円を切ったら再検討予定。
Price of Fame 1960-1965 (7CD)↓
↑以下でも紹介しているが、熊家族のBoxに共通しているのは、あるものはとにかく詰め込む周到さと秀逸な音質。それと詳細な解説、写真、メモラビア、セッショングラフィー、ディスコグラフィー等の情報満載のブックレットだ。
Chained to a Memory 1966-72 (9CD)
Studio Outtakes (1CD)↓
これが発売された時は本当にビックリした。
発売当時の私のAmazonでのレビュー。↓
彼らの黄金時代に当たるCADENCE RECORDS音源は92年独BEAR FAMILY発売の3枚組CLASSIC EVERLY BROTHERSや01年米VARESE SARABANDE発売のCOMPLETE CADENCE RECORDINGSでマスター・テイクについては網羅されている。 また、05年には音楽出版社への登録用DEMO音源がVARESEのTOO GOOD TO BE TRUEとGIVE ME A FUTUREの2枚に各々18曲計36曲収録されている。(尚、自作曲の著作権登録用のためBye, Bye Love等の他人の曲は含まれていない。)
今回BEARから発売されたSTUDIO OUTTAKESは題名のとおり既発曲の没テイク集だが、実質CLASSIC EVERLY BROTHERSを補完する続編と言える。 コンセプトは「レコーディング・セッションってどんな感じ?」、「録音中の壁にとまったハエになれたら…」である。 1枚に34曲も詰め込んだため逆にセッション時の会話は少なく、THE BEATLESのブートレッグUNSURPASSED MASTERSのようにメイキングを時系列で追う臨場感はない。 ただし、1曲目は何とBye, Bye Love のTake1であり、Take1だけでもWake Up, Little Susie、Love Of My Life、Leave My Woman Alone、Claudette、Bird Dog、Hey, Doll Baby、All I Have To Do Is Dreamがあり、興奮せずにいられない! Take1といえども完成度は高く、十分なリハーサル後にレコーディングに臨んだことが判る。
小型ながらカートンBOX入りで音質も秀逸。 64ページの豪華なブックレットには1曲ごとのコメントや写真、今回補完された録音データを掲載。 尚、「夢を見るだけ」でもTake17までの記録があり、もし現存するのなら今後は数曲に絞ってでも会話を含めた全テイク収録を期待したい。 オススメの1枚。
◎Johnny Cash
Come Along & Ride This Train (4CD)
↑下のBoxで音源はほぼ網羅されてそうなので、たぶん必要ないと思う。
Man in Black 1954-58 (5CD)↓
Man in Black 1959-62 (5CD)
Man in Black 1963-69 (6CD)
The Outtakes (3CD)↓
↑alternate takes、undubbed masters、false start、studio chatを時系列で収録したためMan in Black 1954-58等とのダブりもあるが、未発表テイクの雨あられ状態。その上100ページのブックレットが付属している。
◎Gene Vincent
Road Is Rocky: Complete Studio Masters 1956-1971 (8CD)↓
↑90年に英Ace recordsが発売したBox Complete Capitol and ColumbiaがMono音源を中心に6枚組で56年から64年を網羅していたのに対し、こちらは8枚組で71年までを網羅している。
The Outtakes (6CD)↓
↑先に発売されたBoxが8枚組なのに対し、58年から67年のアウト・テイクス集が6枚組とはどういうことか!76ページのブックレットが付属。
◎Johnny Tillotson
The Outtakes (2CD)↓
↑とにかく音質が秀逸。実質スタジオ・ライブのような一発録りであるが、Stereo録音のため音の分離が非常に良い。
オーバー・ダッビング前のシンプルな構成のため、窓を開けて大音量で流そうものなら、ホーム・コンサートでもしていると錯覚されそうな生々しさである。
ここで前々から気になっているのが、95年英Ace Recordsから発売されたコンピレーションThe Cadence Storyに収録されていたPoetry In Motion。
リアルStereo盤で女性コーラスが強調されており、ミックスも音質も最高である。
これって私が知らなかっただけの通常のStereo盤なのだろか?
それにしても聴き慣れた手持ちのMono盤を軽く凌駕しているのだ。
このPoetry In Motionの謎が解き明かされるのか?
まず驚いたのは60ページのブックレットによれば、マスター・テイクが録音されたナッシュヴィル・セッション直前の60年7月~8月ににニューヨーク・セッションが行われていたことだ。
サックスはKing Curtisで13テイク録音され、7テイクが完奏された。
今回はそのうちテイク1と4が収録されている。
後に再録音されたことを考えても出来は今ひとつだが、中々興味深い内容である。
また、60年8月16日のナッシュヴィルでは、サックスはBoots Randolphで20テイク録音され、8テイクが完奏された。今回は失敗スタートのテイク2と3、4、失敗テイクの10と11が収録されている。
今回収録の中には、先に述べたStereo盤は収録されていなかった。
たぶん、現存する全テイクとオーバー・ダビング・セッションまで聴かなければ謎は解き明かされない気がする。何とかこの曲だけでも全て公開してもらえないものだろうか。
たぶん無理だろうから、Cadence Storyの価値は色あせないことになるのかな。(比較的近いと思うミックス、でもCDの方はもっと音質は良いです。)↓
この記事へのコメント
最近、独熊家族は活動停滞していて残念です。
Neil SedakaのRCA音源に続いてPaul AnkaのABC音源のボックスが発売されることを長い間待ち望んでいるのですが・・・。