Johnny And The Hurricanes Red River Rock 2CD + DVD

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 10年オランダのSmith & Co. Sound & Visionという聞いたことのないレーベルより、Johnny And The Hurricanes(ジョニー・アンド・ザ・ハリケーンズ)の2枚組CDがDVD付きで発売された。
 Anthology扱いなので名曲集となるのだが、実際には59年から63年の音源をほぼコンプリートに収録している。
 まず始めに彼らの活動について整理しておこう。

 前身のThe Orbitsは57年オハイオ州トレドのRossford Catholic高校で、サキソフォニストJohnny Poscikをリーダーとして結成された。(Johnnyはポーランドとチェコ系で後にPoscikをParisに改名している。)
 59年デトロイトで開催されたオーディションでFred Kelly And The Parliamentsのバック・バンドを務めたのだが、声がかかったのはThe orbitsの方だった。
 彼らはIrving MicahnikとHarry Balkと契約し、59年2月デトロイトの古い映画館Carmen Towersでデビュー・シングルCrossfireを録音した。
 録音機材がMono用の1トラックだったため、一発録音しかできず、エコー効果を求めて映画館を使用し、The Royaltonesが手拍子で参加した。
 MicahnikとBalkはこの録音の売り込みのため車でニューヨークに向かったが、誰にも相手にされず、思い切って自分たちのレーベルTwirl Recordsを設立した。
 この時グループ名をJohnny And The Hurricanesに変え、コネを使って地元デトロイトのラジオ局で流し、ローカルヒットさせた。
 これに目をつけたWarwick Recordsとリース契約を締結し、全米に配給したところ23位のヒットとなった。

 1stシングル Crossfire / Lazy
 Twirl 1001 59年2月
 Warwick M 502 59年3月 6月8日23位


 2ndシングルはニューヨークのBell Sound Studioで行われた。

 2ndシングル Red River Rock / Buckeye
 Warwick M 509 59年7月 M 509ST(Stereo) 59年8月 9月7日5位



 オリジナルは一般的にはRed River Valleyと呼ばれるアメリカのフォーク・ソング(カウボーイ・ソング)であり、19世紀から歌われているのだが地域で曲名が違うそうだ。
 テキサスの歌うカウボーイと呼ばれたCarl T. SpragueがCowboy Love Songの曲名で25年8月5日に録音したのが最初らしい。
 26年6月9日にKelly HarrellがBright Sherman Valleyの曲名で録音したのを見つけた。↓



 この曲を流していたら異変が起きた。

 ????

 「ミ・ソ・ソー、ファ・ミ・レー」嫁さんが口ずさんでいる。
 「だって、この歌、あれでしょ?」の回答。
 曲名はよく覚えていないようだったので調べてみた。
 邦題は「赤い河の谷間」



 嫁さんに厳しく尋問したところ「たぶんピアニカ(鍵盤ハーモニカ)の教材だったと思う。」との回答。
 2人とも育った県が違うのではっきりしないのだが(嫁さんは愛知、私は石川と沖縄)、確かに「ミ・ソ・ソー、ファ・ミ・レー」にうっすらとした記憶があるなー。嫁さんに先を越された感じがしてかなりショック

 1st LP Johnny & Hurricanes
 Warwick W2007(Mono)、W2007ST(Stereo) 59年10月

Johnny and the Hurricanes - Red River Rock

 Stereo盤には一部擬似Stereoで収録されているようだ。
 1stシングルの2曲はMono録音しかないから、擬似Stereoの可能性しかないが、他はどうなんだろう?
 Side1
 1 Red River Rock (擬似Stereo)
 2 Happy Time (擬似Stereo)
 3 Buckeye (擬似Stereo)
 4 Cut Out (擬似Stereo)
 5 Lazy (擬似Stereo)
 6 Walkin'

 Side2
 1 Crossfire (擬似Stereo)
 2 Storm Warning
 3 Bam-Boo
 4 Thunderbolt
 5 Joy Ride
 6 Rock-Cha
 58年にレコード・プレーヤー用のStereoカートリッジが大幅値下げとなって、Stereo普及に弾みがついたばかりなので、逆に59年に既に擬似Stereoが存在したとは考えにくい。
 恐らく、Stereo盤と言っても一部がMono収録だったのが正解だと思う。
 その後、時代の要請を受けてMonoが擬似Stereoに差し替えられた可能性ははるが、メジャーCapitol Recordsが擬似Stereo(Duophonic)を始めたのが61年であり、Warwick Recordsは62年に倒産しているのでかなり微妙だ。。

 3rdシングル Reveille Rock / Time Bomb
 Warwick M 513 59年10月 11月23日25位



 続いては軍隊の起床ラッパをロックに編曲したもの。
 徴兵制がある頃なので極めて身近で知名度の高いフレーズを拝借した訳だ。
 曲中でも"Wake Up !"と叫んでいる。


 4thシングル Beatnik Fly / Sand Storm
 Warwick M 520 60年1月 3月21日15位



 オリジナルは1840年代に書かれたBlue Tail FlyとかJimmy Crack Cornと呼ばれるフォークソングでリンカーン大統領もお気に入りだったそうだ。
 主人の死を悼む召使の歌だが、現在では子供向けのカウボーイ・ソングとして知られている。
 48年にBurl Ivesのシングルがヒットしている。



 米国では子供も知っている超有名曲をロックにアレンジした訳だ。
 この曲が最後のTop40ヒットとなった。


 2nd LP Stormsville
 Warwick W2010ST(Stereo盤) 60年4月 最高34位

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 Side1
 1. Reveille Rock
 2. Milk Shake
 3. Cyclone
 4. Travelin'
 5. Beanbag
 6. Rockin' "T"

 Side2
 1. The Hungry Eye
 2. Hot Fudge
 3. Time Bomb
 4. Corn Bread
 5. Catnip
 6. The "Hep" Canary

 その後MicahnikとBalkはWarwickからBig Topにリース契約を切り替えた。
 Johnny And The HurricanesはあくまでもTwirl Recordsの管理下にあり、リーズで貸し出されていたに過ぎない。

 5thシングル Down Yonder / Sheba
 Big Top 45-3036 60年4月 7月4日48位

 6thシングル Rockin' Goose / Revival
 Big Top 45-3051 60年8月
 Rocking Goose 10月3日60位
 Revival: (1960) 8月29日97位

 3rd LP The Big Sound of Johnny & The Hurricanes
 Big Top 12-1302(Mono, Stereo)  60年

Johnny and the Hurricanes - The Big Sound of Johnny and the Hurricanes

 Side1
 1 Molly-O
 2 You Are My Sunshine
 3 Like...Rock
 4 Beatnik Fly
 5 The Kid
 6 Bye Bye Blackbird

 Side2
 1 Traffic Jam
 2 Teensville Tonight
 3 Mister Irving
 4 Sheba
 5 Tom's Tune
 6 Corn Pone

 7thシングル You Are My Sunshine / Molly-O
 Big Top 45-3056 60年10月 12月5日91位

 8thシングル Ja-Da / Mr. Lonely
 Big Top 45-3063 61年1月 2月27日86位

 9thシングル Old Smokie / High Voltage
 Big Top 45-3076 61年6月

 10thシングル Farewell, Farewell / Traffic Jam
 Big Top 45-3090  61年11月

 11thシングル Salvation / Miserlou
 Big Top 45-3103 62年3月

 12thシングル San Antonio Rose / Come on Train
 Big Top 45-3113 62年6月

 13thシングル Minnesota Fats / The Sheik of Araby
 Big Top 45-3125 62年10月

 62年12月18日ドイツ、ハンブルグのStar Clubにヘッド・ライナーとして出演。
 オープニング・アクト(前座)は公式デビューしたばかりで最後のハンブルグ巡業中のThe Beatlesだった。↓

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 61年12月31日のライブとのことだが、Star Clubがオープンしたのは62年4月なので62年の大晦日のライブと思われる演奏。↓

Live at the Star Club, Volume 1
Johnny & The Hurricanes, Inc.
2010-09-20

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 ↑フィジカルではなくダウンロードのみ。(全曲試聴できる)

 実際には12時を回って63年1月1日のようだが、本当にクリスマスにも米国に帰らずに欧州を巡業していたのだろうか?
 そう言えばThe Beatlesもクリスマスに帰らず、62年12月31日のStar Clubでの録音が残されているのは有名な話。↓
 


 この2つの録音が同じ機材で続けて録音されたのなら面白いね。

 14thシングル Whatever Happened To Baby Jane / Greens And Beans
 Big Top 45-3132 63年1月

 63年2月初の英国ツアー。
 Warwickでのシングルは大西洋をはさんで英国でも大ヒットしたが、ミュージシャン・ユニオンの関係で労働ビザが下りず、この年初めて実現した。
 Big Topからのシングルは米国以上に英国で受けたといわれる。
 米国で落ち目のアーティストを英国のファンが支える例は少なくない。
 ただし、この時までにJohnny以外のオリジナル・メンバーは残ってなかった。
 
 15thシングル James Bond Theme / The Hungry Eye
 Big Top 45-3146 63年4月

 16thシングル Rough Road / Kaw-Liga
 Big Top 45-3159 63年9月

 売上不振からBig Topとのリース契約は終了。
 スポットでMala Recordsと契約。

 17thシングル It's a Mad, Mad, Mad, Mad World / Shadows
 Mala 470 63年11月

 64年にはJeff Recordsからシングルを発売。
 Rene' / Saga Of The Beatles
 Jeff JS211 64年

 65年にはMicahnikとBalkとの契約が終了する。

 画像が貼り付けられてないが、付属のDVDがPAL方式のため日本の通販サイトはあまり積極的ではないようだ。↓

HMVジャパン

 DVDはPAL方式のため国内のプレーヤーでは再生できないが、パソコンでは再生可能だ。
 内容は86年10月25日ドイツ、ドルトムント、ウエストファーレンホールでのライブ。
 16曲41分収録だが時代を考えれば、全盛時を過ぎたキャバレー・サーキットだから、悪くはないのだがおまけと考えた方がよい。

 赤字で表示した1曲Like...Rock以外の63年までの音源をMono(一部Stereo)で収録。
 できれば64年のSaga Of The Beatlesも聴いてみたかった。
 でも、それは欲張りというもの。
 音質は時代を考えればまずまずと言って良いだろう。
 一方、この他に多数のStereoと擬似Stereoの録音が残されている。
 興味のある方は、ちょっと古いけど01年に米国Varese Sarabandeが発売したベスト盤がオススメ。↓

Very Best of
Varese Sarabande
2001-07-24
Johnny & Hurricanes

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 ↑今回の2枚組に唯一未収録のLike...Rockの他、多数をStereoで収録している。

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