チャイコフスキー マンフレッド交響曲 キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 SACD

HMVジャパン

 チャイコフスキー(Pyotr Il'yich Tchaikovsky)が作曲した6曲の交響曲とは別に、番号が付けられていない交響曲があったなんて最近まで知らなかった。
 
 マンフレッド交響曲 ロ短調作品58 ( Manfred Symphonie h-Moll op.58 )

 交響曲4番と5番の間の1885年に作曲され、86年3月11日モスクワで初演された。 
 これってクラシック・ファンには常識なのだろうか?
 ポップス・ファン上がりの私でも、タイトルを知らなくても有名曲の有名なグレーズを聴けば「ああ、この曲ね!」みたいにピンと来るのだが、今回は違った。
 全く知らない曲。 
 名曲ならば知らず知らずのうちに耳にしていそうなものだが…。
 でも、名曲=人気曲 とは限らない。
 名曲でも、やたら難解であったり、技巧的過ぎるだけで美しくなかったり、やけに長かったりすれば、メディアで取り上げられる可能性は低い。
 だから、私のようなクラシック初心者マークが、耳にすることはまずない。
 まあ、名曲の可能性はあるにしても、人気曲の可能性は低そうだ。

 そもそも、名曲の定義自体、有って無さそうなものだ。
 世間一般で言う名曲とは別に、聴く人それぞれに名曲の基準があると思う。
 要は好きか嫌いかによるものであり、聴く人それぞれに「名曲」が存在する。
 同じことが「名演」にも当てはまると思う。 
 感性によるものだから他人にとっての名曲や名演に口を挟むとやっかいだ。
 逆に支持者が多ければ、いわゆる名曲・名演のお墨付きが与えられる訳だ。

 ところで、今回紹介するSACDはHMVの「本日の特価」で1,527円で見つけた。
 知らなかったし、安かったし、レビューでも推薦していたので買ってみた。

 09年3月キタエンコ名誉指揮者就任記念 チャイコフスキー交響曲全集第1弾!
 87年のギュンター・ヴァント(Günter Wand)以来の名誉指揮者就任。
 尚、ヴァントはケルン市の音楽総監督として46から74年まで指揮者も務めた。

 指揮:ドミトリー・キタエンコ(Dmitrij Kitajenko)、
 演奏:ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団(Gürzenich-Orchester Köln)
 録音時期:09年3月29-31日
 録音場所:ケルン、フィルハーモニー(Kölner Philharmonie)
 ハイブリッドSACDで、2チャンネルとマルチ・チャンネルで収録。

Manfred Symphonie
Oehms
2010-06-01

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  英国貴族第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロン(George Gordon Byron, sixth Baron)が1817年に書いた3幕から成る劇詩『マンフレッド』(Manfred)に基づくチャイコフスキー唯一の標題交響曲。
 バイロン卿は1823年ギリシャ独立戦争に身を投じ、24年4月熱病により現地にて36才で死亡した。
 政治家であり、詩人でもある彼の代表作はチャイルド・ハロルドの巡礼(Childe Harold's Pilgrimage, Cantos I & II、1812年 、ドン・ジュアン(Don Juan、1819-24年、スペイン語でドン・ファン、イタリア語でドン・ジョバンニ、英仏でドン・ジュアン)。
 ヨーロッパ各地を旅し、数多くの女性と浮名を流した。

 マンフレッド交響曲は以下の4楽章から成る。
 1.アルプスの山中を彷徨うマンフレッド(Lento lugubre)
 2.アルプスの妖精(Vivace con spirito)
 3.山人の生活(Andante con moto)
 4.アリマーナの地下宮殿(Allegro con fuoco)

 チャイコフスキーは初演はしたものの、その内容に満足できず、第2楽章以降を廃棄しようとしたらしいが、実際には廃棄などせず、封印もしなかった。
 こうして現在まで生き残ったのだが、後期三大交響曲と比較して専門家の見方は厳しいようだ。
 演奏や録音の機会が少ないから人気が無いのか?
 人気が無いから演奏や録音されないのか?
 そもそも凡作だから人気も無いし、演奏もされないのか?

 このSACDを2チャンネルで聴いての感想は…、
 とにかく素晴らしい音質だ。
 ダイナミックレンジは広くものすごい迫力で圧倒される。
 特に低音がスゴイ(第1楽章の終盤)!
 バス・ドラムやエレキ・ベースが紛れ込んでいるのではないかと錯覚するほどだ。

 ちょうどスピーカーのセッティングを変えたところだった。
 以前は付属の取り扱い説明書のとおり内振り30度にして正三角形の頂点で聴く、もしくは音楽誌のレビューを参考に更に内振りにして、目の前30センチから50センチに頂点が来るようにしていた。
 これを完璧なフラット・セッティングに変えたところだった。
 要するに内振りせずに真正面にスピーカーを向けたのだ。
 定在波の影響を受けていないかチェックした後、1ミリ単位で調整した。

 スピーカーの中央の音が薄くならないか心配だったが、間隔が2メートルほどなら問題なかった。(最終的には調整により従来より5センチほど間隔は縮んだ。)  
 現在のシステムで聴いたことのない壮大なオーケストラが鳴り響いた。
 まだ、調整中なのだが、このSACDを視聴用ソフトとして利用している。

 肝心な内容はどうか?
 初めて聴くから、他と比較できないのだが、演奏は申し分ないと感じた。
 作品そのものとしては?
 例えば交響曲6番と比較してしまうと、その差は歴然なのだが、
 チャイコフスキー自身が思ったとおり、際1楽章は素晴らしい。 
 第2楽章もまずます。
 第3、第4楽章はまあまあと言うところか…。
 詩劇というストーリー性が、逆に創作上の足かせとなったような感じだ。

 調整用に1日で5回くらい聴いたので、今のところどんどん印象が変わっているのだが、このSACDを好きか嫌いかと聴かれれば、好きですと即答できる内容だ。
 まあ、今回は音の良さだけ感動してしまったというところも大きいのだが…。

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