Shelby Flint(シェルビー・フリント) Valiant 3LP in 2CD その2

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 前回に引き続いてのShelby Flintの2回目。
 Valiant Records最初のシングルAngel On My Shoulder / Someday(60年)が発売され、その年の12月からラジオから流れるようになった。
 Shelbyもクリスマス・プレゼントを買うために訪れた雑貨店のカウンター越しに、ラジオから流れるこの曲を2人で聴いて感激したそうだ。

 2人で???

 この時既にShelbyはサウンド・エンジニアのTony Realeと結婚していた。(何というあきらめの早さだ…。)
 その上、妊娠していたそうだ。(2重のオメデタだ)

 60年12月26日ビルボードHot100に94位で初登場。
 61年2月6日Top40入りで37位。
 61年2月27日最高位22位。

 通常であればプロモーション活動に入るのだが、妊婦には無理な話だ。
 もしも、独身のままで、プロモーション出来ていたら…。
 プロモーション無しで22位。
 プロモーションしていたら、あの美貌のことだ、もっと上位を狙えたのでは?
 映像が残っていないことが、これで理解できた。

 それでもミュージック・ビジネスの鉄則で、主婦として忙しく家事に追われる中アルバムが録音された。
 そして、Valiat Recordsから発売された最初のLPが発売された。
 
 1st LP Valiant 401 Shelby Flint(The Quiet Girl)(61年)
 
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 ↑WS401がStereo、W401がMono。収録曲は以下のとおり。

 Joey/Quiet Kind of Love/Scarlet Ribbons/Lavender Blue/Far Away Places/I Will Love You/Heather on the Hill/Riddle Song/Danny Boy/Hi- Lili, Hi-Lo/Every Night/Angel on My Shoulder

 自身のレーベルの命運をかけ、Barry DeVorzonによりフォークソングに偏らず入念に選曲が行われた。
 ジャケットも素晴らしい。
 それに輪をかけて素晴らしいのは、Perry Bodkins Jr.の出しゃばらない美しいストリングス・アレンジ。
 もちろんギターの弾き語りによるShelbyの歌も申し分ない。

 このアルバム発売後、すぐに2ndアルバムに着手。
 こちらは、Shelbyの希望を受け入れてフォークソング集となった。

 2nd LP Valiant 403 Shelby Flint Sings Folk(62年)

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 ↑WS403がStereo、W403がMono。収録曲は以下のとおり。

 Ash Grove/House of the Rising Sun/Every Night/Sinner Man/Black is the Color/I Love a Bonnie Lad/I Know Where I'm Goin'//The Cuckoo/Riddle Song/Bonnie Wee Lassie/House Carpenter/Lady Isabel/Tell Old Bill/Two Brothers (赤字2曲が1stとダブっている。)

 残念ながら商業的には全く不発。
 Shelbyの回想によると、かなり低予算かつ短期間で製作されたそうで、ジャケット写真はBarryの家で友人が撮影したらしい。また、臨月が近かったようでShelbyは自分でギターを抱えることができず、誰かが手前で支えていたそうだ。1stと2曲ダブっているのも何となく理解出来た。
 それと、今度は妻だけでなく母ともなり、またしてもプロモーション出来なかったそうだ。

 その後、4年間はシングルを数枚発表したが、これまた不発。
 そして、このインスト曲のヴォーカルでのカバーに取り組んだ。



 ↑62年4月Vince Guaraldi Trioが発表したアルバムJazz Impressions of Black Orpheusに収録されたCast Your Fate to the Wind。
 ちょうど、ボーナス5曲追加のうえ本家Fantasy Recordsよりリマスター復刻されるらしい。



   ↑リマスターCD            ↑ハイブリッドSACD 

 この曲はシングル・カットされ63年2月23日22位となり、63年のグラミー賞でBest Original Jazz Composition that yearを獲得した。その後アルバムも24位まで上昇した。
 これを受け、Carel Werberにより歌詞が付けられ、ジャズに限らずインストとヴォーカルの多くのカバーが誕生した。
 65年4月には英国のSound Orchestralのアルバムでもカバー収録された。



 ↑英国Mono盤ジャケット Piccadilly NPL 38014(65年)

 米国ではParkway Recordsからシングル発売され、65年5月8日10位の大ヒットとなった。また、アルバムも11位まで上昇した。↓

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   ↑米国Stereo盤 SP 7046         ↑米国Mono盤 P 7046 

 3rd LP Valiant VLS25003 Cast Your Fate To The Wind(66年)

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 ↑VLS 25003がStereo、VLM 5003がMono。
 ただし、このジャケットは英国London盤。せっかくのステキなジャケットなのに、米国盤は低画質のものしかネットで公開されていなかったので…。
 夕陽を背景とした女性のシルエットは、川岸と浜辺の違いはあるけど、Sound Orchestral盤のイメージを意識していることが分かって面白い。
 でも、Shelby盤の方がロマンティックな感じがして好きだな…。

 収録曲は以下のとおり。

 Green Leaves of Summer/Moonlight/The Lily/Yesterday/Softly, As I Leave You/Cast Your Fate To the Wind//I've Grown Accustomed To His Face/Hi-Lili, Hi-Lo/I Will Love You/Bluebird/Our Town/Angel On My Shoulder 青字2曲が1stとダブっている。)

 3rdは2ndの素朴さに比べ、1stの雰囲気に戻った感じ。
 やはり、Perry Bodkins Jr.のストリングス・アレンジが素晴らしい。
 でも、タイトル曲のブラス・アレンジはかなり異質な感じがする。
 ブラスが加えられたこと自体珍しいのだが、Shelbyの曲の中ではかなり激しいアレンジとなっている。
 Perryの発案で加えられたとのことだが、Shelbyのヴォーカルとは対照的で、ラテン風味と言うよりはかなりHipな感じだ。
 この曲は66年8月13日94位に初登場し、9月17日最高61位のスマッシュ・ヒットとなった。

 しかしながら、67年にValiant RecordsがWarner Bros. Recordsに買収されたゴタゴタもあり、ValiantでのShelbyのキャリアは終焉を迎えた。

 そこで、少し古いが02年に米国Collectors' Choice RecordsがShelbyの3枚のLPを2CDで復刻しているので紹介したい。

HMVジャパン

 リマスターにより音質は秀逸で、全てStereo盤を収録。
 特に素晴らしいのはブックレットで、情報満載のライナー・ノーツ、Shelby自身の回想、写真、3枚のLP裏面のオリジナル・ライナーを掲載。今回の2回に亘るブログ記事は、ほぼこのブックレットが情報源である。

 08年にはこの3rdとBarry DeVorzonのBarry And The Tamerlanesの1st LPの国内盤が復刻されており、2枚とも新たにリマスターされている。



 ↑Stereo盤を復刻。ただし、1stと重複する2曲はMonoで収録。
 音質の比較では、2CDがダイナミックな音像で拡がりのある音場であるのに対し、日本盤は演奏がコンパクトに聴こえて音場は狭くなった感じがするが、ヴォーカルの質感が増しており、拡がりよりも奥行きが出た感じ。
 どちらが良いと言うことではなく、これは好みの問題で、両方素晴らしい音質。
 ただし、両方ともタイトル曲のブラスのヌケがもう少し良ければと思った。



 ↑1st LP Valiant 406 I Wonder What She's Doing Tonight(63年)
 63年21位となったタイトル曲(邦題:恋の黄色信号)を収録。
 W 406がMono、WS 406がStereo。収録曲は以下のとおり。

 Roberta/Let Me Be/Rhythm of the Rain/Lucky Guy/Katrine/Don't Go//A Date With Judy/A Funny Thing Happened/Butterfly/The Beginning of the End/Good Night, My Love/Pleasant Dreams/I Wonder What She's Doing Tonight (緑色の曲がBarryがプロデュースしたThe Cascadesの1st LP Valiant 405 Rhythm of the Rain (63年)とダブっている。)

 この国内盤はレアなStereo盤を収録。
 また、アルバム未収録のMonoシングル4曲をボーナスとして収録。
 
 その後のShelbyの活動にふれると、

 72年8月公開の映画Snoopy Come Homeの挿入歌Lila's Theme (Do You Remember Me)を歌っている。↓



 73年11月公開のClint Eastwood監督の映画Breezyの主題歌Breezy's Songを歌っている。↓



 最後にCollecors' Choice MusicからThe Complete Valiant Singlesが発売される。

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 ジャケットがイマイチに感じだが、Valiant Recordsの全てのシングル全曲に加え、Cadence Recordsからのデビュー・シングルAB面も収録されるらしい。

 また、Shelbyの他に以下の2セットも発売される。

 Connie StevensのComplete Warner Bros Singles (2CD)

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 ↑Connieのジャケット史上最高の可愛らしさではないか…。

 Joanie SommersのComplete Warner Bros Singles (2CD)

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 ↑5枚目のアルバムLet's Talk About Love のアウト・テイクだが、このジャケットも良いね!

 オリジナルのMonoミックスが多数収録される可能性があるので楽しみだ。


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    Excerpt: JUGEMテーマ:事件・事故『今日の川柳』今回は~   ベストじゃなくて             ワーストだ!!元ネタ↓大阪・豊中のツアー会社 「ハーヴェストホールディングス」キャンセルは1・5倍 高.. Weblog: 川 柳児の 時事川柳 feat. ネタ & ダジャレ + @ racked: 2012-05-02 10:27