Delaney&Bonnie&Friends On Tour With Eric Clapton+α

 70年6月発売のDelaney&Bonnie&Friends On Tour With Eric Clapton(Atco SD 33-326)がデラックス盤化された。
 それも未発表テイク満載の4枚組ボックス・セットでだ!
 このアルバムは09年に日本でShm-CD化されたことはあるが、
 米国では初CD化されて以来リマスターされた形跡がない。
 だから、驚いたことに89年盤がカタログに堂々と残っている!↓
 
HMVジャパン

 私もこの89年の日本盤を持っている。
 69年12月1日から7日にかけて行われたDelaney&Bonnieとその仲間たちは英国ツアーを敢行した。



 その最終日クロイドンのフェアーフィールド・ホールズで開催されたコンサートからの音源に一部オーバー・ダビングを施してアルバムが作成された。

 <オリジナル・アルバム収録曲>
 1. Things Get Better 
 2. Poor Elijah - Tribute to Johnson Medley
 3. Only You Know and I Know
 4. I Don't Want to Discuss It
 5. That's What My Man Is For
 6. Where There's a Will There's a Way
 7. Comin' Home
 8. Little Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny

 今回初めて知ったのだが、7夜13公演のうち録音されたのは1つではなかったのだ。
 実は7日目のクロイドン2ndショーを中心に他の音源も含まれているのが分かった。
 要するにクロイドン以外のコンサートも録音されていたことになる。
 今回のデラックス盤は、その4つのコンサートをボックス化したものだ。↓


 ↑発売は米国Rhino Handmadeであるが、その歴史を紹介しておこう。
 Rhino Handmadeは旧盤の復刻で定評のある米国Rhino Recordsのマニア向け通販専用部門として設立された。
 当初は、レコード・ショップ(小売店)へは配給せず、専用サイトから通販のみで販売していた。
 日本からも注文可能だったが、送料及び手数料が約50ドルも必要だった。

 我慢できずにこれらを注文したはずだ。
 The Doors : Live In Detroit
 The Monkees : Headquarter Sessions
 The Monkees : Summer 1967: Complete Us Concert Recordings
 Cher : 3614 Jackson Highway
 Sony Bono : Inner View
 残念ながらThe StoogesのFunhouse Sessionsは売り切れだった。

 その後Collectors' Choice Records等の米国の一部通販サイトに販売が解禁となり、続いて日米英のAmazonやHMV等の大手通販サイトでも販売されるようになって、格段に購入し易くなった。

 ところが本家Rhino Handmadeの活動が低調となり閉鎖が懸念されたが、1、2年前から再び活動が活発化し、魅力的なアイテムが登場し始めている。

 その一方で、最近は専用サイト以外の通販サイトでは入手しづらい状況となっており、入手出来たとしても割高であったり、マーケット・プレイス扱いとなっていたりする。↓

HMVジャパン


 更に悪いことに米国専用サイトから購入しようとすると、米国外輸出禁止アイテムの指定があったりして、極めて不便となっていた。

 そんな折、日本のワーナー・ミュージック・ダイレクトがRhino Handmadeの取り扱いを開始した。
 ほぼ、日本国内独占という感じだ。
 さぞや割高だろうと思ったがそうでもない。
 例えば、この4枚組は米国専用サイトでは定価79.98ドルに対し8,500円。
 1ドル83円、為替手数料3円とすると、
 79.98ドル×(83円+3円)=6,879円となり、
 ワーナーとの差額は1,621円となる。

 ここで忘れてはいけないのはワーナーにはブックレットの日本語訳付きだ。
 この日本語訳は単体で300円で購入可能だが、通常の輸入盤国内仕様ならば500円から1,000円は上乗せするところだろう。300円は非常に良心的だ。

 ところで、このブックレットは情報満載だ。
 非常に参考になったし、面白かった。
 例えば、オリジナル・アルバム未収録ながら、本作収録の4回のコンサートの全てで演奏されたGimme some Lovin'。
 Royal Albert Hallで歌っていたらSteve Winwoodが見に来ていたとか。
 日本語訳がとてもありがたかった。
 DelaneyとBonnieのバイオロジーやオン・ツアーの内容だけではなく、
 2ndアルバムAccept No Substituteをロサンゼルスのエレクトラ・スタジオで録音していたらThe Rolling StonesもLet It Bleedを録音しており、Gimme Shelterの女性ヴォーカルに声がかかったけど、Bonnieの声が不調でMerry Clayton呼んだとか…、
 2人とEric Claptonを結びつけたのは、1stアルバムを聴いたエンジニアGlyn Johnsを経由してGeorge Harrisonだったとか…
 一方で、結びつけたのはGram Parsonsで、Gramは演奏を録音したテープをGeorgeに渡し、Georgeはクラブでのギグを実際に聴きに来て、テープに録音してEricに渡したとか…、
 EricはBlind Faithの米国公演の前座に二人とフレンズを指定したが、Ericが前座の連中にゾッコンになっていったとか…、
 Georgeはツアーへ参加したがっていたが、妻のPattiが許さないので、みんなで家まで迎えに行ったとか、
 その時Georgeは69年1月30日Apple社屋上のラスト・ライブで使用した特注のギターをDelaneyにプレゼントしたとか、
 その時GeorgeはRita CoolidgeにアルバムSgt.Pepper's収録のLovely Ritaを歌ったとか、
 ライブ録音をチェックしていたらJimmy Pageがひょっこり現れて、やっかみで「Ericの演奏はイマイチじゃないか?」と言ったとか、
 Eric Claptonの1stソロ・アルバムでのLet It RainやAfter Midnightのこととか…、
 とにかく、一読の価値はあると思うよ。

 日本語訳と送料及び手数料を考慮した場合、1,621円は高いかな?
 ↑HMVは日本語訳なしで16,457円と約2倍だぞ!
 それに、専用サイト(発売元)では在庫500セット以下の警告が出てるし。
 私は安いと思い、即購入してしまった。
 あなたはどう思う?


 それではボックスに話を戻そう。

 <パーソネル>
 Bonnie Bramlett: Vocals.
 Delaney Bramlett: Guitars, vocals.
 Eric Clapton: Guitars, vocals.
 Dave Mason: Guitars.
 L'Angelo Misterioso(George Harrison): Guitars.
 Carl Radle: Bass guitar.
 Bobby Whitlock: Organ, Keyboards, Vocals.
 Rita Coolidge: Backing vocals.
 Jim Gordon: Drums, percussion.
 Tex Johnson: Percussion.
 Bobby Keys: Saxophones
 Jim Price: Trombone, Trumpet, Horns.
 尚、Leon Russelは参加していない。

 オリジナル・アルバム収録の8曲がどのコンサートからかは、
 以下に記載の4枚のDiscの曲名を赤で表示してある。

 Disc1

 69年12月1日(月)
 英国 London Royal Albert Hall(コンプリート)

 Intro/Tuning
 Opening Jam
 Gimme some Lovin'
 Band Introductions
 Only You Know And I Know
 Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
 Get Ourselves Together
 I Don't Know Why
 Where's There's A Will, There's A Way
 That's What My Man Is For
 Medley: Pour Your Love On Me/Just Plain Beautiful
 Everybody Loves A Winner
 Things Get Better
 Coming Home
 I Don't Want To Discuss It
 Little Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny
 My Baby Specializes


 Disc2

 69年12月2日(火)
 英国 South West Bristol Colston Hall (1st&2ndショーからのミックス)

 Intro/Tuning
 Opening Jam
 Gimme Some Lovin'
 Things Get Better
 Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
 I Don't Know Why
 Medley: Pour Your Love On Me/Just Plain Beautiful
 Where There's A Will, There's A Way
 Coming Home
 Little Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny
 I Don't Want To Discuss It
 録音機材のトラブルにより2つのショーから状態のよいものをセレクト。


 Disc3

 69年12月7日(日)
 英国 London Croydon Fairfield Halls (1st ショー)

 Intro/Tuning
 Gimme Some Lovin'
 Introduction
 Things Get Better
 Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
 I Don't Know Why
 Where There's A Will, There's A Way
 That's What My Man Is For
 I Don't Want To Discuss It
 Coming Home
 Crowd/Announcement


 Disc4

 69年12月7日(日)
 英国 London Croydon Fairfield Halls (2nd ショー)

 Intro/Tuning
 Gimme Some Lovin'
 Pigmy (Instrumental)
 Introductions
 Things Get Better
 Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
 Only You Know And I Know
 Will The Circle Be Unbroken
 Where There's A Will, There's A Way
 I Don't Know Why
 That's What My Man Is For 
 Coming Home
 LIttle Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny

 音質については89年盤が意外と良い音なのに驚いた。
 一方、デラックス盤の音質はどうかな?
 だって、20年以上経過しているから…???

 ①マスター・テープが経年劣化した可能性はどうか?
 アナログの磁気テープの場合経年劣化は必ず起こる。
 ただし、保管状況により進行度合は千差万別だ。
 今回の音源となったテープはどのように保管されていたのだろう。

 ②リマスター技術が進歩した可能性はどうか?
 技術は明らかに進歩した。
 ただし、その技術をちゃんと使用したかはわからない。
 最新の技術を使用して入念にリマスターしたらスゴイことになる。
 The Beatlesのリマスターのように人・物・金を投入すればね。

 それで、本作はどうか?
 明らかに89年盤より音質は改善している。
 劇的に変化したとまでは言えないけどね。
 経年劣化をリマスター技術が上回った訳だ。
 しかし、全体的にリフレッシュしたサウンドになっているのだが、
 一部ではあるがマスターテープの粗まではっきりしてしまっている。
 リマスター技術が、大幅ではなく、少し経年劣化を上回った感じだ。

 むしろ、音質よりも未発表音源の発掘の方が意義があると思う。
 Rhino Handemadeの場合、どちらかと言えばその傾向にある。
 たくさん詰め込むけど、丁寧なリマスターが全曲に行き渡らない。
 「聴けるだけありがたいと思え!」ってブートレッグみたい。
 それは、ちょっと言い過ぎだな。
 とにかく89年盤より、音質は良いのでご心配なく。
 何?比較対象が古過ぎる?
 でも、これを聴かずして何とする!
 
 ところで、買い逃したThe StoogesのFunhouse Sessions(7CDボックス)が、
 廃盤後10年経ってやっとで再プレスされたみたいだ。
 まだ、ワーナー・ミュージック・ダイレクトでは取り扱われてないけどね。 
 それにしても10年だよ!
 この間、異常な高値で取引されていた。
 やはり、Rhino Handmadeのアイテムは気になるならば、手に入るうちに手に入れておくべきだと思うよ。

 話はそれるけど、ワーナーで取り扱ってないアイテムがある。
 再プレスのFunhouse Sessionsもそうだけど、
 The MonkeesのThe Birds, The Bees, & The Monkees(Boxed Set)もそうだ。
 こちらも在庫500以下だから、私は米国Amazonのマーケット・プレイスで注文した。
 定価59.98ドルに対して64.91ドルで、送料込みで6,265円だった。
 P.S. The Birds, The Bees, & The Monkees(Boxed Set)のレビューはこちら。
 これが無事到着したら、ワーナーでThe MonkeesのHead(Deluxe Edition)を注文する予定。



 最後にスタジオ・ライブの映像をどうぞ!
 こんな美しいカラー映像が残っているとは驚きだね。↓

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