Supertramp (スーパートランプ) Breakfast In America 2CD

 Supertramp(スーパートランプ)のBreakfast In America(ブレックファスト・イン・アメリカ)が2枚組でデラックス盤化された。
 本アルバムは6作目にして、セールス的には彼らの代表作といえる。
 79年3月発売。全英3位、全米では通算6週間1位。
 69年にプログレッシヴ・ロック・バンドとして英国で結成され、苦節10年目にしてやっと栄光をつかんだ訳だ。

 MTVも無い時代に、
 ジャンル分けにうるさい米国で、
 パンクでもなく、ディスコでもなく、
 ましてやニュー・ウエーブにはまだ早い79年に
 英国出身のプログレ・バンドが大成功したのである。

HMVジャパン

 ↑2枚組デラックス盤。

 とは言っても、このアルバムにプログレ臭はあまりない。
 プログレ出身と聞けばなるほどと思うのだが、演奏にジャズやフュージョンっぽさを感じる程度だ。
 むしろ、ポップス、いや!AORと言った方がしっくり来るかな…。
 確かに、70年代後半の米国のミュージック・シーンには、
 ディスコ・ブームほどではないにしろ、AORの台頭があった。
 例えば、Fleetwood Macの大成功のように。
 Fleetwood Macは元々は英国のブルース・バンドだった。
 80年代に入ってAORで復活したChicagoも元はブラス・ロック・バンドだった。

 でも、ラッキーだったと思うよ。
 もしも、米国でプログレにカテゴライズされていたら…。
 限られたジャンルに埋没して一般のリスナーの耳には届かなかったうえに、
 たぶん、プログレ・ファンの受けも悪く、無視されたと思うよ。
 だって、プログレらしくないのにプログレの放送局で流されてもね…。

 たまたま、米国ではほとんど無名だったから、配給元が音楽性で判断したのだろうか?
 それとも、母国英国でのヒットを後ろ盾に、米国市場向けに巧妙な戦略が練られていたのかな?
 実際はかなり違った。

HMVジャパン

 ↑1枚組リマスター盤。

 私の記憶では79年に突然このアルバムでブレイクしたかのよう思った。
 日本ではBreakfast In AmericaがテレビCMに採用されて大ヒットした。
 確かカセット・テープのCMじゃなかったかな…???。

 Billy JoelのYou May Be Right(ガラスのニューヨーク)もCMに使われて大ヒットした。
 2曲とも日本ではアルバムの代表曲のように受け取られているが、米国ではヒットしておらず、日本独自のヒットであった。
 前者のアルバムの代表曲はThe Logical Song(6位)であり、
 後者はIt's Still Rock And Roll To Me(ロックン・ロールが最高さ)(1位)。
 また、Billy JoelのアルバムThe Strangerとタイトル曲とJust The Way You Are(素顔のままで)(1位)も全く同じだ。

 日本では突然ブレイクしたかのようだが、米国進出の伏線がちゃんとあった。
 5年ほど遡ってみよう!

 シングルDreamer(英13位、米36位)、Bloody Well Right(米35位)がヒットし、 
 この2曲を収録した3rdアルバムCrime Of The Century(74年9月発売)が英米でゴールド・ディスク(英4位、米38位)となった。

 米国でのヒットを受けて、場所をロンドンからロサンゼルスに移して4thアルバムCrisis ? What Crisis ?(危機への招待、75年11月発売)を録音した(英20位、米44位)。

 次の5thアルバムEven in the Quietest Moments..(蒼い序曲、77年4月発売)も米国で録音され、英ではシルバー・ディスク(12位)、米ではゴールド・ディスク(16位)を獲得した。
 また、シングルGive A Little Bitもヒットした(英29位、米15位)。

 このように日本での知名度が無かっただけで、英米では着実にキャリアを積み重ねていたようだ。

 そして本6thアルバムからThe Logical Song(英7位、米6位)の他Breakfast In America(英7位)、Goodbye Stranger(英57位、米15位)、Take the Long Way Home(米10位)をシングル・カットした。

 今までにアルバムは1,800万枚以上を売り上げている。
 また、グラミー賞ではジャケット部門とエンジニア部門を獲得している。
 確かに、このジャケット強烈だ!
 ウエイトレスのおばさんの強烈さに目を奪われて思考停止していたが、
 今回改めて見ると自由の女神のパロディーだし、
 マンハッタン島は食器や調味料だ。↓

Breakfast in America: 2010 Remaster/Deluxe Edition
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Supertramp

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 私は91年発売の国内盤CDを持っているのだが、今聴いても意外と音が良いのに驚いた。
 さすがグラミー賞のエンジニア部門を獲得しただけのことはある。
 02年にはリマスター再発されているのだが、残念ながらそちらは未聴。

 デラックス盤はDisc1に10年8月にリマスターされたオリジナル・アルバムが丸々収録されている。
 聴いての印象は、ふわっと包み込まれるようで気持ちが良い。
 とにかく最近のリマスター技術の進歩は素晴らしい。
 2、3年前まで主流だった低音を持ち上げ、高音を強調してメリハリを効かせながらガンガン迫ってくるリマスターとは全然違う。
 音場に奥行きが出て、音の分離も良いし、音に厚みがある。
 重心が低く、迫力はあるが、圧迫感はなく、ストレスを感じない。
 素晴らしい!

 Disc2には79年のワールド・ツアーからのライブ録音が収録されている。

 1. The Logical Song" (Live At Pavillon de Paris)
 2. Goodbye Stranger" (Live At Pavillon de Paris)
 3. Breakfast In America" (Live At Wembley)
 4. Oh Darling" (Live In Miami)
 5. Take The Long Way Home" (Live At Wembley)
 6. Another Man's Woman" (Live At Pavillon de Paris)
 7. Even In The Quietest Moments" (Live At Pavillon de Paris)
 8. Rudy" (Live At Wembley)
 9. Downstream" (Live At Pavillon de Paris)
 10. Give A Little Bit" (Live At Pavillon de Paris)
 11. From Now On" (Live At Wembley)
 12. Child Of Vision" (Live At Pavillon de Paris)

 パリのパヴィリオンでのライブは、Paris(ライブ・イン・パリ)として2枚組LPで発売されているが(8位)、デラックス盤収録のパヴィリオンでのライブ7曲のうち1.以外の6曲が未発表テイクである。
 尚、このアルバムParisも02年にリマスターされているが、06年にマスター・テープがビデオ映像と共に発見されたそうで、それが未発表テイクの音源なのかも知れない。
 その他ウェンブリーとマイアミでの5曲も未発表のようだ。

 79年のライブ音源としては秀逸と言ってよく、個人的には中々の出来だと思う。
 やはり、プログレ出身ということもあり、演奏は上手いね。

 ブックレットは平均点的な内容。
 ライナー・ノーツはまずまずだ。
 歌詞が掲載されているが、収録曲の基本的なデータが無いのは痛い。
 特にDisc2については、ロケーション等の情報がほとんどなしだ。 

 本編の比較が91年盤のため当然音質が向上しているのだが、ちょっと対象が古過ぎるので参考にならなかったかな? 特に02年盤を持っている人には…。

 迷っている人には、デラックス盤とは別にスパー・デラックス盤の方がよいかも。
 通常CDをShm-CDに差し替え、ビデオ・クリップやドキュメンタリー映像を収録したDVDとLPと、貴重な写真を満載したハードカバー本(60P)、1979年ツアー・プログラムのレプリカ(28P)、83cm×55cmの大型ポスター、チケット/バックステージ・パスのレプリカ、ワッペン等々を、LPサイズのボックスに収めたものだそうだ。
 それにしても超高額だ!↓ 

HMVジャパン

 ↑輸入盤

ブレックファスト・イン・アメリカ<スーパー・デラックス・エディション>
ユニバーサルインターナショナル
2011-01-19
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 ↑日本盤。

 LPサイズのBoxやジャケットは魅力的だけど、個人的にはLPレコードまで収録するのはやり過ぎだと思う。
 大きなジャケットを眺めるのは楽しそうだけど、
 レコード盤を聴かずに眺めて楽しむのは、
 プレーヤーを持ってないと逆にツライね。
 仮に持ってたとしても私の性格上レコード盤に針を落とすことはめったに無いと思うけど…。
 聴けば聴くほど、
 レコード針が盤を引っかいて、
 盤質が劣化していくなんて…
 精神衛生上耐えられない。
 超高級ワインを飲むのと同じで、よっぽどの贅沢だと思うね。
 聴きたいのはやまやまだけど、大切な記念日にしか聴けないね…。

 LPがボーナス扱いで、値段が5,000円以下なら話は別だけど、
 LPのために3,000円アップして8,000円となるならば、
 まっぴら御免だ。
 ???
 そもそも、日本盤は定価18,000円!
 既に値引きが始まっているが、発売までにどこまで値下げになるのか注目だ。
 

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