Rolling Stones Their Satanic Majesties Request

HMVジャパン

 Let It Bleed、そしてBeggars Banquetに続きThe Rolling StonesのDecca時代のオリジナル・アルバムがSACD-Shm化された。

 Their Satanic Majesties Request

 67年12月8日発売。
 英国で6作目、米国で8作目のオリジナル・アルバムだが、
 初めて英米同一内容で発売された。
 録音は67年2月9日から10月23日。
 マネジャー兼プロデューサーのAndrew Loog Oldhamと袂を分かって、初めてセルフ・プロデュースしたアルバム。
 ワーキング・タイトルはCosmic Christmasだが、最終的には英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)パスポートの表紙内側に印刷されている以下の文章から取られている。
 Her Britannic Majesty's Secretary of State Requests and requires in the Name of Her Majesty...

 ストーンズ・ファンの間では特に人気がなく、
 ストーンズらしくないとか、
 The BeatlesのLP Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandの二番煎じとか、
 理由は色々と言われている。

 ちょうどMick JaggerとKeith Richardsのマリファナ事件にも重っており、
 逮捕されたのは67年2月12日だから、録音が始まった直後だ。
 収監・課金されたのが6月29日(Mickが3ヶ月、Keithが1年)。
 ただし、翌日保釈された。 
 このグループ内のゴタゴタが散漫な印象を与えているのかも知れない。

 せめて、セルフ・プロデュースではなく、The BeatlesのLP Let It BeのPhil Spectorみたいに、腕の確かなプロデューサーが付いていれば内容は違っていたと思う。

 とは言いながら、私はこのアルバムが嫌いな訳ではない。
 いや、むしろ好きである。
 ストーンズもチャレンジした時期があったんだ…。
 サイケデリックとか、トータル・アルバムとかコンセプト・アルバムとか…。
 時流に乗ったこともあるが、チャート的には英国3位、米国2位となった。
 ただし、瞬間風速的で商業的には思ったほど儲からなかったようだ。
 でも、こういう試行錯誤も大切だ。

 もしも、このアルバムがなければ、次のLP Beggars Banquetは無かったかも知れない。
 次作では原点回帰したなどと言われるが、適切にプロデュースされただけだと思う。
 リスナーが何を求めているかを知り、自分たちの魅力をどう生かすかを知る。
 自分たちの商品価値を上げるよう心掛けた結果、商業的な成功によりメンバーに富と名声をもたらすことになった。
 要するにマネジメントだ。

 Mick JaggerとKeith Richardsは、そのヒット数が示すとおり稀代のソング・ライティング・チームだ。
 アルバムとしての適切なプロデュースは欠けていたが、素材の質は非常に高い。
 同時代に、次々に発表されたコンセプト・アルバムの中でも高位置にあると思う。
 このことは、ストーンズの大ファンで、ストーンズしか聴かないような人には、逆に分かりにくいかも知れない。
 
 ストーンズらしくないと言えばそれまでなのだが、ブルーズに強い影響を受けていたとはいえ、彼らは米国南部の出身でもなければ黒人でもない。
 紛れもなく英国生まれで、ロンドンをベースに活動していた才気あふれる若者たちだ。
 そんな彼らが、ちょっと違う方向の才能を垣間見せた点で、私はこのアルバムを評価したい。
 決して、シャレとか遊びではなく、結構本気だったと思う。
 まあ、67年2月時点でコンセプト・アルバムの構想は無かったと思うが、6月1日発売のSgt. Pepper's はチェックしていただろうし、時代の流れも読んでいたはずだ。

 それに伴いニュー・アルバムの構想も変貌していったはずであり、保釈後から秋にかけてThe Beatlesに対抗すべく、彼らなりに出した回答がこのアルバムだったと思う。
 そういう意味では、マリファナ事件によるモタモタがなければ、Sgt. Pepper'sとも遭遇せず全然違った内容になっていたかも知れない。
 逆に保釈後から取り組んだことを考えれば、マリファナ事件のゴタゴタはこのアルバムに悪影響してないはずだ。
 むしろ、保釈中だから世間をはばかり、スタジオで録音に専念できたかもね。
 だから、「若気の至り」という表現で済ませるほど、このアルバムの重要性は低くないはずだ。

サタニック・マジェスティーズ
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2011-05-25
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 ↑今回でThe Rolling StonesのSACD-Shmは3枚目なのだが、当然音質は秀逸だ。
 だけど、3枚の中で録音が1番古いせいか、ミックスが気になった。
 66年以前ならともかく、67年でこのStereoミックスとはどうしたものか…。
 ひょっとして、ヴォーカルが中央から聴こえないのがStereoだと勘違いしてないか?
 Stereo盤の方が音の分離は格段に良いのだが、こんなミックスで俄然Mono盤を聴きたくなった。↓





 ↑米国Mono LPからだそうだが、ネットでもこんなに良い音とは!

 02年に発売された手持ちの3枚組SACDをチェックしてみた。↓

シングル・コレクション(ロンドン・イヤーズ)
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2002-11-09
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 ↑既に廃盤の日本盤ハイブリッドSACD。
 Abkcoの作品なので正真正銘のMonoミックスかMono風ミックスなのかははっきりしないが、圧倒的な迫力、音の分離、音場の拡がりとも申し分ない。
 あー、やっぱりMono LPを聴いてみたい。

 それと、今回のSACD-Shmで気になるのはジャケットだ。
 毎度のことだけど、こんな紙ジャケットのために値段が跳ね上がるなんて…。
 ジャケットに解説を印刷するなよ!

 Decca時代のオリジナル・アルバムはデビュー盤しか聴いたことがなかった。
 それをSACDで初体験しているのだが、今回で3枚目になる。
 実は11年2月にアナログ盤ボックスを購入したのだが、レコード・プレーヤーがないので耳にするのは今回のSACDが初めてだ。
 1回聴いただけで気に入ってしまった。

Vinyl Remastered Collection: Vol.I 1964-1969 Re-Mastered Boxed Set [12 inch Analog]
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2010-11-22
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 最後に後悔しているのは以下のコレクターズCDを買わなかったことだ。
 タイトルはSatanic Sessionsで4枚組CDのボックスが2セット計8枚だ。↓

画像画像



















 97年発売なのだが、LPどころかCDも持ってなかったので、さすがに突然ブートレッグ8枚はキツ過ぎた。
 The Beatlesのオリジナル・アルバムを1枚も聴いたことが無いのに、最初にアンソロジー6枚を買ってしまうよりも暴挙だ。
 この8枚があれば、セッション全般についてもっと精緻なレビューが書けたと思うと残念だ。

 因みに、この2組のボックスの他にもう2組のボックスが売られていた。
 1組はThe Beatlesの2枚組。

 The Complete Hollywood Bowl Concerts 1964-1965

The Beatles - The Complete Hollywood Bowl Concerts


 残る1組はGeorge Harrisonの3枚組で実際に買った。

 The Making of All Things Must Pass

George Harrison - The Making of All Things Must Pass

 ↑このボックス最高です!

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