The Kinks(ザ・キンクス) Something Else By デラックス盤(2CD)

HMVジャパン

 前回の1stアルバムKinksに続いての2枚組デラックス盤について。
 今回はThe ZombiesのOdessey & Oracleのレビューの時に、同じく英国で67年に録音された名盤として取り上げたSomething Else By The Kinksをレビューしたい。
 英国Amazonから届いたのだが、予想どおり4面見開きのジャケットの背表紙は潰れて折れ曲がっていたが、こんなの想定内だから全然問題なし!

 まずは67年録音の名盤でのレビューを再度掲載しておこう。↓

 The Kinks Something Else
 発売67年9月15日 録音66年4月~67年7月 Pye Studios

HMVジャパン

 ↑98年発売のリマスター盤(輸入盤)。Mono盤のみ。
 発売当時は良い音質と思ったが、今の基準では少しシャカシャカして、音に厚みが足りない感じがする。
 今年2枚組デラックス盤が発売される予定だが、08年に発売された6枚組ボックスPicture Bookが秀逸な音質だったのでどんな音に生まれ変わるか楽しみだ。
 一部の編集盤に収録されたことのあるWaterloo SunsetのStereo盤なども収録されたら嬉しいな。



 1st LPの時と同じでオリジナル・アルバムの再リマスターとなった訳だが、
 今回もデラックス盤に期待されるのは、
 ①初めて耳にするStereo盤の内容、
 ②Mono盤の再リマスターによる音質アップ、
 ③ボーナス曲の充実度の3点だ。

 早速、Disc2のStereo盤から聴いてみた。

 !!!!!!
 
 David Watts
 エコーやディレーを効かせてた不思議な浮遊感のあるリアルStereo。
 
 Death Of A Clown 
 右からピアノ、左からアコースティック・ギターのボディーを叩く音
 左からアコースティック・ギターのシャカシャカしたストローク
 中央からヴォーカル、左からベース・ギター
 中央というよりも左右のスピーカーの間全体に拡がるエコーの効いた女性コーラス
 出だしは古典的な左、中央、右の3点Stereoと思ったが、これも浮遊感のあるリアルStereo。
 
 Two Sisters
 右からハープシコード
 中央からダブル・トラック風に加工されたメイン・ヴォーカル
 左からベース・ギター
 右からドラムス
 中央からサイド・ヴォーカル
 左から右にフワッと拡がるストリングス、ここでStereo感がグッと高まる。

 No Return
 中央からエコーがかかったアコースティック・ギター、そしてドラムス
 中央からダブル・トラック風に加工されたヴォーカル
 中央からしか音がしないが、Stereo的な音場がしっかり形成されている。

 Harry Rag
 中央からエコーを効かせて右に拡がるアコースティック・ギター、そしてドラムス、ベース・ギター、エレキ・ギター、 左からメイン・ヴォーカル
 右からサイド・ヴォーカルとコーラス
 演奏が中央に定位しているのは1st LPのStereo盤に似たミックスだが、エコーやディレーを使って浮遊感のあるリアルStereoとなっている。
 
 こんな風に古典的な3点Stereoからの進歩が分かる。
 反対側に演奏のエコーを跳ばして拡がりや浮遊感のあるStereoとしたり、
 明らかにヴォーカルは加工されており、ピタッと定位すると言うよりはフワッと定位する。
 悪くないStereoミックスだと思う。
 ブックレットでRay Davisは時代の要請に迫られて、このアルバムで初めてStereoミックスに本気で取り組んだとコメントしている。
 また、Rayは頭にあったのはMonoミックスであり、The KinksはMonoバンドだし、やはりMonoサウンドが好きだともコメントしている。

 最後にお目当てのWaterloo Sunsetはどうか?
 左から、エレキ・ギター、アコースティック・ギター
 右からメイン・ヴォーカル
 左右のスピーカーの後方の壁全体に拡がるコーラス
 左からドラムスとベース・ギター
 そして、Every day I look at the world from my windowからヴォーカルが左右に散ってダブル・トラックになる。
 エンディングで左からピアノ

 初めて聴いた時はかなり違和感があった。
 イントロのギターの音が小さい。
 Mono盤では音程が下がっていくエレキ・ギターが遠くの落陽を連想させ、
 フェード・インしてくるアコースティック・ギターが近くの街の雑踏を連想させた。
 右からしか聴こえてこないヴォーカルに、もしかして擬似Stereoみたいな…。
 一体、何が中央から聴こえて来るのかと思っていると、
 Mono盤とは比較にならない存在感と美しさでコーラスが登場する。
 もはや、演奏はただの伴奏にしか過ぎない。
 エンディングのピアノもMono盤ではドカンと割り込んで来るのに、
 完全にコーラスに負けている。
 これは、ロック・バンドの演奏を基調としたロッカ・バラードではなく、
 ヴォーカルとコーラスの美しさを前面に押し出したバラードである。
 私はイントロのギターとエンディングのピアノに強いロック感を抱いていたので
 このように感じた。

 これが悪いかと言えば、決してそんなことはない。
 コーラス・ワークとミックスがこんなに緻密で美しいとは!
 音の分離が劇的に良くなったので、その美しさは鳥肌モノである。
 ところで、男性コーラスはともかく、ゾクゾクする女性コーラスは一体誰だ?
 Rasa Davies (Rasa Emilija Halina Didzpetris)
 64年12月12日Rayと結婚した最初の奥さん。
 リトアニア系ドイツ人?
 40年にソ連に侵攻されて消滅したバルト3国の一番南の国。
 北からエストニア、ラトヴィア、リトアニアで、05年に旅行したことがあるが、
 南に行くほど女性は背が高く綺麗になった。(関係ないか)
 因みにバルト3国(特にエストニア)ではコーラスが盛んで、ソ連からの独立を目指す民族運動の象徴となった。

 あっ!脱線した。
 ここで07年に発売40周年を記念して発売された4曲入りCDについて。 

Waterloo Sunset / Act Nice & Gentle
Castle Music UK
2007-04-26
Kinks

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Waterloo Sunset / Act Nice & Gentle の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

 ↑Stereo盤とかレア音源の収録を期待したが、オリジナルどおりの4曲がMonoで復刻された。
 理由は分からないが、フランス盤EPが選ばれた。
 
 Waterloo(英:ウォータールー、仏:ワーテルロー)1815年ナポレオン率いるフランス軍がイギリス・オランダとプロイセンの連合軍に破れ、ナポレオン戦争のすう勢が決定づけられた。
 よって、英では歴史的大勝利を、仏では全く逆の大敗北となるのだが、英を含めて世界的には大敗北の比喩となっている。(フランスでは禁句らしい)

 99年地下鉄の1Dayチケットを利用してロンドン市内を観光した夜、タワー・ブリッジからテムズ河畔のQueen's Walkを散策し、ウォータールー駅へ向かった。
 結局は距離があり過ぎたうえに道が途切れたので、途中のロンドン橋駅から帰ることにした。
 地下に下りたのだが、突如サイレンが鳴り響き、そのうち火災のため煙が立ち込め、閉鎖されてしまった。
 逃げ出したのは良いが、バス路線は頭に入れてなかったため、あてずっぽでダブル・デッカー(2階建ての赤いバス)に乗り込んだ。(1Dayチケットはバスと兼用で助かった。)
 ロンドン橋を渡り、対岸のCityで地下鉄の表示UNDERGROUNDを見つけて速攻で下車した。(たぶん、乗っていたのは2区間)
 降りたのはイングランド銀行前のその名もバンク駅で、そこから地下鉄に乗ってハムステッドのホテルに帰った。

 この日、私は勝ったのか、それとも負けたのか?
 ビビッてレストランに入れなかったので、嫁さんは負けたと思っているだろう。
 夕食はホテルの近くのコンビニBPでインド人から即席めんを買った。
 インド人が「ハッシー、ハッシー」とおどけながら歌っていた。
 ホテルでは電圧が高いせいかお湯が沸くのが異常に早かった。
 食べようとしてハシが無いことに気づいた。
 ハッシーじゃなくてハシのことか。
 まさかインド人がハシがないことを心配してくれるとは…。
 普通にフォークと言ってくれ!
 妙に情けない気分になった。(やっぱ、負けだわ!)

 またしても脱線した! 

Something Else: Deluxe Edition
Sanctuary UK
2011-06-28
Kinks

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Something Else: Deluxe Edition の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


 続きは次回で…。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック