Steely Dan (スティーリー・ダン) Aja (彩 エイジャ) SACD-SHM

HMVジャパン

 10年12月31日(消印有効)までにSACD-SHMを4枚買えば1枚プレゼントの4Buy 1Getキャンペーンが開催されており、数合わせで慌てて買った2枚のうちの1枚。
 期限に間に合うか心配だったが無事到着した。
 本作は2010年6月30日にSACD-SHMの第1弾として発売されたものだ。
 
 ハイブリッドではなくシングル・レイヤーとしたうえに、マルチ・チャンネルではなく2チャンネルに特化という理想的な仕様。
 やったねと思いきや、一番肝心な音源問題が浮上した。
 クラシックやジャズは過去にSACD化された際のDSDマスターが採用された。
 一方、ロック・ポップス系の一部に国内オリジナル・アナログ・テープを基にした2010年最新DSDマスターが採用されたのである。
 これが疑念を招き、SACD-SHM自体が怪しくていかがわしい存在に転落した。

 通常CDでさえオリジナル・マスター・テープからのリマスターが一般的になっているのに、国内アナログ・テープ採用って一体全体どういうことなんだ?

 そう言えばユニバーサルはSHM-CDでも同じようなことをした前科がある。
 海外でリマスターされていないのならともかく、明らかにマスター・テープから念入りにリマスターされた最新の音源があるにもかかわらず、それを採用せず国内保管の古い音源を基にSHM-CD化した疑い。
 全てがそうだったとは言わないが、かなり出所の怪しい音源が含まれていた。
 音源を厳選せず、ディスクの素材をレーザー透過性の良いものに換えただけ。
 それでも音が良くなることは確かなのだが、低レベルでの相対的評価だった。
 そのうえ、たいした付加価値もないのに、かなり高額な価格設定だったな。
 
 だから、私は02年SACD化の際のDSDマスターを採用したThe Rolling StonesのLet It Bleedのみ買うことにした。
 ところがである、多くのリスナーの反応は少し違ったようだ。
 待ってましたと言わんばかりに店頭からAjaが消えたのだ。
 そのうえ、結構な高評価だった。
 驚き…。
 にわかに信用することが出来なかった。

 本国のマスター・テープの劣化が激しく、日本に送られたコピーの保存状態の方が良い?
 そんなことがあるのか?
 確かに本国の保管方法が著しく悪かったり、マスター・テープの酷使によっては有り得る。
 それ以外にはどんなケースがあるか?
 例えば69年製作のマスター・テープを77年に最新のテープにコピーしたとする。
 マスターとコピーが同じ音質ということは有り得ず、ダビングされる際にコピーの音質は1ランクか2ランク落ちる。
 その後マスターとコピーの両方に経年劣化が進行することになる。
 しかし、テープの品質に差があるため、最新のテープにダビングされたコピーの方が経年劣化のダメージが小さい。
 69年から77年ではテープにもかなりの技術進歩があったはずだからね。
 よって、ダビング時に生じた1ランクか2ランクの音質差は、経年劣化により数年で逆転する可能性は大いにある。
 ただし、両方とも程度の差はあれ確実に音質は劣化することになる。

 それではSteely DanのAjaの場合はどうか?
 録音は77年1月から7月で発売は77年9月。
 数ヶ月遅れて日本での発売のために1stか2ndジェネレーションのコピーが送られたと思われる。

 次にコピーが送られた可能性があるのは、日本での初CD化の時か…。
 88年?それとももっと前?(82年~88年の間)
 恐らく米国よりも日本の方がCD化は先と思われるので、送られたのはデジタル・コピーではなく、アナログ・コピーじゃないかな?
 それとも77年のコピーをそのまま流用したのかな…。

 一方、米国では93年にリマスターBOXが発売された。↓

HMVジャパン

 ↑私は解説・歌詞・対訳付きの日本盤を持っているが既に廃盤。
 輸入盤ならまだ手に入る。
 4枚のディスクにとにかく発表順にオリジナル・アルバムと編集盤に収録された曲を詰め込んでいる。
 今回聴き直そうと思ったが、Disc2から4は未開封だった。
 要するに私は1stアルバムCan't Buy A Thrill とSACDで買ったラスト・アルバムGauchoしか聴いたことがないことに気付いた。
 今さら開封する気にもなれず、とりあえずDisc1のみ聴いてみた。
 なかなか良いじゃないか。十分良い音だ!

 確かこのボックスのリマスター時点でマスター・テープの経年劣化がかなり進んでいたとの話だったな。
 それから17年が経過し、経年劣化は更に進んだはずだから、今回のSACD-SHM化は国内のアナログ・テープを使用したということか。
 それにしても、いつ日本に送られたコピーなのだろうか?
 結局わからないままだ。

彩(エイジャ)
ユニバーサルインターナショナル
2010-06-30
スティーリー・ダン

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 でも待てよ?
 03年にGauchoがハイブリッドSACDで2チャンネル及びサラウンドで発売されている。
 シールにはサラウンド用に新たにリミックスし、Stereo用にリマスターされたと記されている。

Gaucho (Hybr)
Universal UK
2003-08-26
Steely Dan

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 ↑このSACDは最高に音質が良い。
 音質的には十分満足しているので、わざわざ4,500円のユニバーサル盤SACDを買う気は毛頭ない。↓

ガウチョ
USMジャパン
2010-11-24
スティーリー・ダン

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 ところで、03年にはGauchoだけではなくAjaもマルチ・チャンネルSACD化が計画されたそうなのだが、何とBlack CowとAjaのマルチ・チャンネルのセッション・テープが紛失していたため中止となったそうだ。
 これから推測すると、本国のマスター・テープは著しく劣化しているのではなく、マルチ・チャンネルのセッション・テープの紛失の影響で、2チャンネル・マスターの使用が制限されたのではないか?
 逆を言えば、紛失した2曲以外はマルチ・チャンネルのセッション・テープが存在するのでGaucho並みの素晴らしい音質でSACD化出来るということか?
 ユニバーサルはちゃんと確認したのかな?
 恐らくSteely Dan側が2チャンネル・マスターの使用を許可しなかっただけじゃないの?
 マルチ・チャンネルSACD化は中止になった訳ではなく、延期になっただけなら…
 プロジェクトは継続中となるから、本国を差し置いて許可は下りないだろう。
 既に7年以上経つけどね。

 ↓メイキング・ビデオではマスターテープで遊んでるけど、この後に紛失したのかな?

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スティーリー・ダン

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 実際にスタッフにおっちょこちょいの人がいて、過去に他のマスター・テープを消去してしまったことがあるらしいから、問題の2曲もこの世には存在しないんじゃないのかな。
 発見されるのを待っても無駄のような気がするぞ!

 最後にAjaのSACD-SHMを聴いてみての感想は、
 Gauchoと比較して明らかに音の傾向は違う。
 Gauchoは音の分離がよく、音像がくっきりしてメリハリがあるし、低音の重心が低い印象。
 Ajaは音の輪郭がぼやけていると言うよりも溶け合っている感じを受け、厚みがあり包み込まれるようで気持ちが良い。
 低音の重心は低くないが、十分量感があり迫力もある。
 はっきり言って、音の好みによって、どちらの傾向が好きかは差が出ると思う。
 音質の優劣という点では、判断は非常に難しい。
 個人的には、定価が高いのは除いて、Ajaを買って損は無かったと思う。
 でも、やはり2チャンネル・マスターを使用したSACDを聴いてみたいなー。
 ユニバーサルは信用できないので、自分の耳で確認しないと気持ち悪いぞ。
 それと、現存するマルチ・トラックのセッション・テープからリミックスしたらどんな音になるのかなー。
 紛失した2曲が発見されたらいいな。

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この記事へのコメント

col
2011年01月29日 17:03
デジタル・リマスターとか、SHMCDとか、正直実際にどのくらいの音質変化があるのか分かりませんね、、、
今のところリスナーがそれなりの知識を身につけるしかない、という状況はマズイと思います
決して盛況でもないのに、進歩が見られないというか、、
2011年01月31日 19:21
colさんコメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、レコード会社の戦略と言うか、
消費者を煙に巻き、錯誤せしめるような詐欺の商法みたいな…
とりあえず私はサンプラーは例外としてユニバーサルのShm-CDとソニーのBlu-spec CDとEMIジャパンのHigh Quality CDは1枚も購入していません。
ついでを言えば音質に関係ない紙ジャケット偏重主義も大嫌いです。
日本のレコード会社は海外の会社より信用できないのが現実だと思います。
ちょっと言い過ぎたかな…。

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