John Coltrane(ジョン・コルトレーン) Ballads(バラード) SACD-SHM

HMVジャパン

 10年12月31日(消印有効)までにSACD-SHMを4枚買えば1枚プレゼントの4Buy 1Getキャンペーンが開催されており、数合わせで慌てて注文した2枚のうちの1枚。
 期限に間に合うか心配だったが2日間で到着した。
 John Coltrane(ジョン・コルトレーン)のアルバムで最初に買ったアルバムだ。
 私が持ってるのは87年2月25日に当時のワーナー・パイオニア㈱からimpulse ! CD COLLECTIONの第1弾として発売された1枚だ。
 カタログNo.32XD-570、要するに3,200円。
 オリジナル・マスター・テープ使用とある。

 ?????

 オリジナル・マスター・テープを使用してないCDもあった訳か? 

 CDが産声をあげたのが82年10月。
 この日本のSonyとオランダのPhilipsが開発した得体の知れないフォーマット。
 幸か不幸か欧米に先行して日本で一足早く市民権を得た。
 この過程で本国保管の大切なマスター・テープを使えたはずがない。
 日本にあったアナログ・レコード用のコピーが流用されることになった。
 当然、音は悪かった。

 海のものとも山のものと分からないCDが米国で認知されるのに数年を要したため、87年になってやっとでマスター・テープ使用の許可が下りたのだが、当時としては画期的なことであった。
 なぜならマスター・テープからのリマスターが浸透し始めるのは、一部を除き、クラシックやジャズを中心に90年代になってからであった。
 実際のところ、90年代に入ってもハイ・ジェネレーションのコピーからCD化されることは普通に行われていた。
 マスター・テープから1回ダビングされたテープが1stジェネレーション。
 1stジェネレーションのコピーを更にダビングすれば2ndジェネレーション。
 それを更にダビングすれば3rdとなり、回数が増えるほど音質は劣化する。
 回数が少ないものをロウ、回数が多いものをハイ・ジェネレーションと呼ぶ。
 日本に送られたコピーは、運が良ければ2ndだが、3rdから5thがざらだった。
 そんなコピーがCDの音源に流用されていたことになる。
 良い音がするはずがない。 

 だから、マスター・テープを使用した87年盤のCDは結構良い音質だった。
 その後、何回も再発されているが、買い直したことはない。
 それどころか内容的にはマイ・フィエヴァリット・アルバムとなった。
 20年以上経っても、このアルバムに対する愛着は変わっていない。

 今回23年振りに買い直したのだが、これまでの再発をリマスター盤を中心に紹介しておこう。

 ①米国では95年にリマスターされており、今でもカタログに残っている。↓

HMVジャパン


 ②98年に音質には定評のある米国Mobile Fidelity社がGold CDを発売。↓
 既に廃盤だが、マーケット・プレースでべらぼうな金額で取引されている。
 どんな音質なのか機会があれば聴いてみたいものだ。

Ballads
Mobile Fidelity
1998-08-18
John Coltrane

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Ballads の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


 ③02年の2枚組でデラックス盤 米国盤も日本盤もあり。↓
 オリジナル・エンジニアRudy Van Gelder(ルデイ・ヴアン・ゲルダー)によるリマスター。
 ほとんど別テイクや没テイクのなかったセッションで、シングルGreensleevesとIt's Easy To Remember(impulse45-203)のメイキングを中心にボーナス収録。

HMVジャパン 

 実は02年から04年にかけてJohnのアルバムは一部であるがSACD化された。

John Coltrane & Johnny Hartman (Hybr)
Impulse Records
2004-11-16
John Coltrane

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by John Coltrane & Johnny Hartman (Hybr) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

 ↑John Coltrane & Johnny Hartman 04年発売ハイブリッドSACD。
 10年SACD-SHMでも発売された。

 しかし、Balladsはそこから漏れた。
 日米での人気と評価の差が原因か?
 それともマスター・テープに問題があったのか?

 ④07年Shm-CD盤 もちろん日本盤。↓
 ルビジウム・クロック・カッティングによるハイクオリティ盤とある。
 でも、一体音源は何なの?

バラード
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-11-21
ジョン・コルトレーン

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by バラード の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


 ⑤08年米国リマスター盤 これが最新のリマスター盤となる。↓
 マスター・テープは無事だったのかな?
 未聴のため分からないが、無事ならば、これが最高の音質のはずだが…。

HMVジャパン


 ⑥09年日本独自のクリスタル盤 定価200,000円!!!!! ↓
 でも、一体音源は何なの? 08年米国リマスター盤と同じ?
 ネットで24ビット96kHzを超える配信が始まるかも知れないのに、
 将来のデジタル・オーディオに投資した方が良いのでは?
 こんなもん買うぐらいだったら、SACDを軽く凌駕する将来のフォーマットを待った方がどんなに現実的か…。
 ユニバーサルはSACD-SHMの価格設定を始め、どこがズレてる!

HMVジャパン


 ⑦10年日本独自のSACD-SHM。↓
 国内オリジナル・アナログ・テープを基にした2010年最新DSDマスター。
 これって一体何のことだ?
 
バラード
ユニバーサル ミュージック クラシック
2010-12-15
ジョン・コルトレーン

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by バラード の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

 ↑今さら言うまでもない日本語解説が直接印刷された最悪の紙ジャケット。
 改めて説明不要のジャズの人気盤なので、肝心なのは音質とそれに関する解説なのだが…

 結局のところ本SACDの音源については分からなかった。
 08年米国リマスター音源の日本に送られたデジタル・コピーか?
 まさか、アナログ・コピーなんてことはないから、この可能性はない。
 07年日本SHM-CD音源か?
 でも、このSHM-CDの音源って何だ?何が元だか分かんない…。
 02年のRudy Van Gelderのリマスター音源か?
 でも、Rudyは02年でかなりお爺さんだったので聴力に問題なかったの?
 この時77か78才だった。

 もしも、来年George MartinがThe Beatlesを再リマスターすると聞いたら
 「やめて!お爺さん!尊敬してるし、昔の功績は認めるから!」と叫ぶだろう。
 実際に09年確かな耳を持ったチームが素晴らしいリマスター盤を完成させた。

 別にお年寄りをバカするつもりはない。
 年をとってもプロは同年の一般人とは比べ物にならない能力を有している。
 しかし、老化により聴力は衰えるものだし、それは避けられないことだ。
 努力により遅らせることは出来るだろうが、物事には限界がある。

 ところで、
 国内オリジナル・アナログ・テープを基にした2010年最新DSDマスター?
 これって何だ?
 本国にあるオリジナル・マスターが激しく痛んでいるのならともかく…
 Steely DanのAjaみたいにね。
 オリジナル・アナログ・テープっていつの時代のやつだ?

 ここで87年盤を久しぶりに聴いてみた。
 なかなか健闘している。良いじゃないか!
 もしかして、違いが分からないほど私の聴力が老化しているのか?
 ただし、よく聴き込んでみると、
 音は硬い感じがするし、音の粒も粗い感じがする。
 ちょっと窮屈で、続けて2回聴く気は起こらないな。

 一方、SACD-SHMはどうか。
 当然、音質は良い。
 気持ち良い。
 フワッと包み込まれるようで、圧迫感がなく疲れない。
 音場は?
 87年盤は左側にサックスが大きく、右側にドラムスが中ぐらいで、
 中央にピアノとベースが小さく定位する。
 SACDはサックスが左側手前に、右側中ぐらいにドラムスが、
 中央後方にピアノとべースが定位する。
 要するに楽器の大きさではなく、奥行きが感じられるようになった。
 2m大のサックスが、2m先にあるサックスに変わり、
 1m大のピアノが、10m先にあるピアノに変わった。
 音の分離が良くなり、音に厚みが出て、音像がはっきりした。
 その結果、音場にも広がりと奥行きが出た。
 4,500円の定価の問題は別として、リラックスできて良い音質だ。
 だって、SHMのうえSACDだからね。

 でも、これって究極の音質なのか?
 疑問だね。
 国内オリジナル・アナログ・テープを基にした2010年最新DSDマスター?
 「オリジナル」?
 訳すと「根源の」→根源のアナログ・テープ
 なんだかんだ言っても、元は何かのコピーにすぎないだろ?
 「根源」なんてありえない。
 ???
 「基にした」→「元にした」とは違うの?まやかしっぽいぞ!
 「オリジナル」→「オリジンの」
 「オリジン」→「根源、源」
 「源」=「マスター・テープ」
 米国Impulse社製のマスター・テープを指し、唯一無二の存在。
 たぶん、音源は82年以前のLP用アナログ・コピーだと思う。
 その後、米国のマスター・テープの経年劣化が、日本のコピーよりも急激に進む可能性は?
 コピーに使用した磁気テープの方が性能は良いはずなので逆転は有り得る。

 ところで、昔日本に送られたコピーを基に作り上げたDSDマスターって、
 そんなにすごいのか?
 恐らく、適当に日本にあるコピーで間に合わせた感じだな。
 まるで80年代に国内保存のアナログ用コピーでCD化を間に合わせたように…。
 コピーはあくまでもコピーであり、何をどう加工しようとマスターと呼ぶのは変だ。
 製造工程で工場の人が便宜的にそれをDSDマスターと呼ぶのは仕方ないにしても、一般の消費者にマスター使用と宣伝するのはマズいんじゃない?
 消費者保護法上、消費者を騙してないかい?
 もしくは、マスターという表現、消費者を錯誤せしめてないかい?
 海外産の魚を3品盛り合わせの刺身にしたら国内加工品に化けるみたいだ。
 顧問弁護士以外にもリーガル・チェックをかけ直した方がいいんじゃない?
 
 まあ、究極ではないにしろ、十分ハイ・レベルな音質を実現しているので
 定価4,500円は別として満足している。(セールを組み合わせて実質3,060円)
 何だかほめてるのか、けなしてるのか、分からなくなっちゃったけど、
 結論としては、オススメです。
 でも、やっぱり正真正銘のマスター・テープからSACD化して欲しかったな…。
 一体、どっちなんだ!

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック