Kyung Wha Chung (チョン・キョンファ) 40 Legendary Years Box

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 長い間気になっていた大韓民国出身の名ヴァイオリニスト。
 アジアの至宝と言うよりは、もはやクラシック界の至宝と呼ぶべきなのだろう。
 名前だけは知っていたのだが、聴く機会に恵まれなかった。

 ただ、10年以上前にNHKでEd Sullivan Showの傑作選が日曜日午後11時に放送されていた時に、動く彼女を見た記憶がある。
 クラシック・ファンがチェックするような番組ではなく、ポップスをメインにコメディやマジックも含めた大衆芸能全般を扱っており、アメリカでは知らぬ者がいない高視聴率番組で、日本でもかなりの知名度があった。
 私自身も50年代や60年代のロック・スターを目当てに全放送をビデオに録画していた。

 そうしたら、South Korea出身の少女が登場したのだ。
 恐らくデビュー前で、The Juilliard Schoolに留学中か、もしくは67年のエドガー・レヴェントリット国際コンクール(Edgar Leventritt Competition)に入賞した頃だと思う。
 曲名は覚えていないのだが、途中でヴァイオリンの弦が切れてしまって、残念なことに演奏を中止してしまった。
 彼女も残念そうだったが、スマイルは忘れていなかった。
 調べようと思ってネットで検索したが、全然ヒットしない。(私の記憶違いか?)
 実家に帰って片っ端からビデオを見直せば判るのだろうけど、ビデオ・デッキってまだ健在だったかな?(そもそも、そんな根気、どこにも残っていない。)

 このヴァイオリンの音が大きくてTigerと呼ばれた少女。
 60年代の映像は、ほとんどネットで公開されていない。
 母国大韓民国には秘蔵映像が残っているのではとハングルでも検索したが、ニュース映像が少しあるだけだった。
 以下は68年に撮影された映像。 
 


 共演は姉Myung-wha(ミュンファ)と弟Myung-Whun(ミョンフン)。



 海外での活動が早かったから、母国といえども映像が少ないのは当然のことか…。

HMVジャパン

 今回、Decca時代を集大成した19枚のCD+1枚のDVDのボックスが発売されていると知り、迷わず購入した。
 値段は高いけど、1枚当たりで考えれば安い買い物。
 幸運なのか不幸なのか1枚も持ってなかったので、当然ダブりもなし。
 何て効率の良い買い物なのだろう。
 ヨーロッパではなく母国大韓民国での企画・編集・製造なのだが、はたしてその内容はいかに…。

 届いてビックリしたのは、その重さだ。
 頑丈なLPレコード大のフォト・アルバムのボックスのような作り。
 中にフォト・アルバムが3冊とブックレット。(フォト・アルバムと言っても実際に写真が印刷されている訳ではなく、ジャケットが写真の代わりをしているので誤解の無いよう。)
 4面見開きのフォト・アルバムの内側を開くと、横に切れ込みがあり、そこに紙ジャケットが差し込まれている。
 重厚感のある88ページのブックレットには韓国語(ハングル表示)とは別に英語の解説があるので心配はご無用。
 また、日本語で渡辺和彦氏が「チョン・キョンファの芸術」を、宇野功芳氏が「チョン・キョンファ、芸術の女神」を寄稿しており、それぞれ韓国語と英語に翻訳されている。
 作品1枚ごとのオリジナル・ライナー・ノーツも掲載されている。
 写真も豊富だが、もう少しレア度の高い写真や、プライベート写真等が有れば良かったと思う。
 それにしても、LPサイズ大の写真の迫力はスゴイね!(この点は、ロックとかクラシックとかジャンルは関係無しだね。)

 最後のページにプロダクション・ノートがあるのだが、録音場所と録音年月も掲載されている。
 また、そこには96kHz、24Bit、デジタル・リマスターと記載されている。
 何と、SACDでも発売可能ではないか!
 何で通常CDなの?SACDなら価格が倍になっても大歓迎だったのに…。
 枚数が多過ぎてマスタリングが十分なレベルに達していなかったのか?
 それとも、出し惜しみしたうえで、次の一手を狙っているのか?

 それでは、肝心な音質に話を移そう。
 1枚1枚入魂のリマスタリングがされたとは思えないし、正直を言えば改善の余地は有ると思う。
 ただし、同年代のリマスターCDのレベルと比較しても、十分な水準には到達していると思う。(旧盤を持ってないため比較が出来ないのが残念…。) 

 DVDは80年シカゴ、オーケストラ・ホールで撮影されたメンデルスゾーンの3曲であるが、キョン・ファは2曲目のヴァイオリン協奏曲のみで登場。
 このFelix Mendelssohnと題されたDVDはサー・ゲオルグ・ショルティがメインなのであるが、この日のコンサートは実質的にキョン・ファがメインと言って良いだろう。

 

 今回リマスターされたかは判らないが、お世辞にも良い画質とは言えない。
 元々フィルム映像ではなくビデオ映像だから劇的な改善も望めないだろう。
 演奏の素晴らしさはさておき、このDVDはおまけと考えた方が良い。
 音声はStereoとDts Surroundで収録。

 最後に、音源の権利を持つ米国ユニバーサル・ミュージックを差し置いて、このボックスを実現させたはユニバーサル・コリアの熱意は認めたい。
 様々な契約上の制約とか音源使用の制限とかが有っただろうに…。
 だから、最高の音質でSACD化されたら、また買ってあげるよ!
 ただし、次回はキョン・ファさん自身も巻き込んで、回想録とかもお願いします。
 それと、倉庫に眠っている音源がきっとあるでしょ?
 取って付けたようなDVDよりも、発掘音源の方に興味があるよ。
 それと、ジャケット写真のアウト・テイクとか…。
 この発想って、お堅いクラシック・ファンには受け入れられない邪道なのかな?
 ポップス・ファン特有の軽薄でミーハー的発想も楽しいと思うのだが…。

 やはり、豪華な箱や解説なんていらない。19枚のCDだけあれば良い。
 自分の耳と感性だけで判断すれば、それで十分というのが王道なのかな。
 個人的には、それだけではつまらんと思うのだが…。
 
 ところで、現役アーティストにとって、今回のようなボックスは失礼に当たらないのかな?過去の人(終わった人)みたいな誤解を招くからね。
 キョン・ファさん、ひょっとして怒ってない?
 レーベルを移籍したから協力出来ないだけならいいんだけど。
 ちょっと心配になってきた…。

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