Minnie Riperton (ミニー・リパートン) Perfect Angel (2イン1)

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 英国Stateside RecordsからMinnie RipertonのLPが2イン1で復刻されている。
 復刻と言っても廉価再発であり、レーベル名もあまり馴染みがない。素性の判らない独立系レーベルに有りがちな「安かろう、悪かろう」では意味が無いので、心配になって調べてみた。

 Stateside Recordsは米国産ヒット曲の英国での受け皿レーベルとして62年EMIによって設立されており、Motown系やBell、Scepter、Vee-Jay、A&Mを扱っていた。しかしながら、60年代の終盤頃からEMIが直接米国側とライセンス契約を結び始めたため、存在価値が失われ、EMI ColumbiaやHMV Popともに73年閉鎖された。

 その後、80年代になり復刻専門レーベルとして復活し、Caritol Recordsの他、米国でEMIが権利を持つレーベルを取り扱っていることが判った。

 Minnie Ripertonはソロとして米国Epic Recordsで4枚のLPを発売したが、後にCapitolに移籍したことに伴い権利も移転したようだ。EMI系列なら大丈夫かな…。とにかく安いので思い切って買ってみた。

Perfect Angel/Adventures in Paradise
Stateside
2004-01-20
Minnie Riperton

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 廉価盤なのでブックレットに写真が少ないうえに小さいのは仕方がないことか…
 一方、改善の余地が無いと言えばウソになるが、音質的には全く問題なしで、2イン1の後半Adventures In Paradiseは更に音質がアップする!

 このアルバムは夫Richard RudolphとMinnieの熱心な支持者であったStevie Wonderの共同プロデュースなのだが、Stevieの勧めで74年ロサンゼルスのRecord Plant Studiosで録音された。また、Stevieはタイトル・ソングPerfect AngelとTake a Little Tripを提供した他、契約上の都合でEl Toro Negro名義で演奏に、Wonderlove名義で編曲にも参加している。

 その他の曲はMinnieとRichardの共作であり、当初は二人の6曲とStevieの2曲の合計8曲だった。ところが、Stevieの8曲30分程度では商業ベースに乗らないとの忠告から、急きょ1曲追加されたのがLovin' Youだった。この曲は、まだ赤ん坊だった娘Mayaを寝付かせるための子守唄として歌われていた曲だった。

 このLPは74年8月9日発売されたのだが、ヒットに至るには紆余曲折があり、まず、シングルがカットされた4枚について説明しよう。

 1stシングルはLPの1曲目に収録されているReasonsであり、Minnieにバラードのイメージを持っている人には違和感があるのではないだろうか。私自身もその1人であり、かなりビックリした。



 確かにくロック色が強く、ギターがキュンキュンに鳴っているではないか…。実際、ロック系のラジオ局でエア・プレイされたのみで不発に終わった。ブラック系のラジオ局ではほとんど取り上げられなかったそうだ。

 2ndシングルはTake a Little Tripであり、ちょうどStevieはLP Fulfillingnessに取り組んでいた時期であり、この曲もStevie節炸裂でイイ曲なのだが、Stevie自ら歌うのならまだしも無名のMinnieでは注目されなかった。



 3rdシングルはSeeing You This Wayであるが、またまた空振りであった。製作サイドでMinnieをRock、Pop、Soul等のどのジャンルにカテゴライズするか、また、ラジオ局等のマスコミ・サイドがどう受け止めてどう取り扱うか、そして、リスナーにどう伝わったのかに混乱があった。と言うよりもどこかで途切れてリスナーに伝わらなかったのが現実のようだ。



 そろそろ、次のLPの話が出始めた頃、MOR系(Midlle OF The Road:PopやEasy ListeningやSoft Rock系)のラジオ局でLovin' Youがアルバムからオンエアーされているとの情報が入った。
 75年1月には4thシングルとして発売され、4月5日全米1位に昇りつめた。
 まさしく大どんでん返しである。



 この映像を見てお気づきと思うが、電子ピアノだけでシンセサイザーが聴こえないのだ。
 私は89年発売の日本盤ベストを持っているのだが(今でも再発されてカタログに残っている)、私達が聴き慣れているシングル・ヴァージョンと明らかに違う。↓

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  また、実際にLPに収録されているヴァージョンはフェード・アウトが長く、エンディングで娘の名前Mayaを連呼している。映像を注意深く見ると、音はフェード・アウトで消えているが、 マ~ヤ、マ~ヤ、マヤ、マ~ヤ と唇が動いているのが判る。私もLPヴァージョンを聴くまで知らなかった。

 あくまでも個人的感想と思って聞いて欲しいのだが、
 私は素晴らしい曲と思いながらもLovin' Youを聴くと、癒されると言うよりも、なぜかとても不安で落ち着かない気分になってしまう。
 特にあの印象的なシンセサイザーの音色を聴いていると、何ものにも代え難い大切な何かを、どこか遠くへス~ッと奪い去られてしまうようで…
 恐らくこの美声の持ち主が、乳癌によりわずか31歳で天に召されたことが原因だと思うのだが、シンセサイザーの音が心に浸み込めば浸み込むほど不安をかき立てられてしまう。



 ↑彼女の死後に放送された追悼番組。(5分24秒から演奏が始まる。)
 StevieがPerfect Angelを弾き語りしており、最後にLovin' Youも少し登場する。

 ところがである、このLPヴァージョンを聴いて印象がガラッと変わった。
 電子ピアノ中心のシンプルな演奏が、優しさと美しさを際立たせており、今までのモヤモヤをどこかに消し去ってくれた。おかげで、本来の子守唄としての慈愛だけに留まらず、もっと普遍的な愛の歌として素直に聴くことが出来るようになった。
 このLPヴァージョン大好きだ!
 長い呪縛から解き放たれた感じで、やっと心の底からリラックスして聴ける。
 お久しぶりです。イヤ、初めましてMs.Riperton!
 あなたの子守唄でグッスリ眠らせていただきます。
 末永くよろしくお願い致します。

 最後にEpicからの残りの2枚もStateside Recordsから2イン1で発売されているので紹介しておく。
 



















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