Wanda Sa (ワンダ・サー) Vagamente(ヴァガメンチ) (Bomba CD)

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 空、雲、海、波、砂浜、風紋、ブロンドの女性、ストライプのワンピース、ギター、そして日差し(ちょっと眩しそう)。いいよね、このジャケット!この時彼女はまだ19歳。シャッター・チャンスを狙い続けたにしても、ここまで条件がそろうなんて…まさに奇跡のような一瞬。
 ボサ・ノヴァを予想していたのだが、イメージはちょっと違った。1曲目は何とフレンチ・ポップス風。これってもしかしてボサ・ノヴァではなくて、ボサ・ノヴァ風ブラジリアン・ポップス?と言うのが正直な感想。ただ、まったりとして囁くような唱方と少しハスキーで魅力的な声のおかげで、軽くなり過ぎずにボサ・ノヴァ風に聞こえてしまうのが面白い。とにかく◎である。
 
ヴァガメンチ
インディペンデントレーベル
2008-08-23
ワンダ・サー

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 64年ブラジルRGEから発売。音質は良好で実に気持ちいい。オススメの1枚。
 尚、購入するのであれば、解説・歌詞・対訳付きのボンバ・レコードが08年に発売した国内盤をオススメする。95年執筆の使い回しであるが、Wanda Saのことを全く知らなかった私にとって板橋純氏の解説は非常に参考になった。
 <追記>10年1月同じくボンバ・レコードよりオノ・セイゲン氏のリマスターにより再発されたそうだ。

Wanda Sa ワンダ・サ / Vagamente 【CD】
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商品の詳細ジャンルワールドフォーマットCDレーベルBomba発売日2010年01月23日商品番号BO


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 ところで、このアルバムが録音された64年4月ブラジルでは軍事クーデターによりアメリカ寄りの独裁政権が実権を握り、その後軍部主導で経済発展は遂げるものの暗く抑圧された時代が続くこととなった。元々明るい国民性なだけに、ほんとに暗かったかは疑問だが、文化人にとっては不評だったのは確かだ。実際、ミュージシャンを含む多くの文化人が海外へ活動の場を求めたとのこと。
 
 そんな状況の中で、このアルバムがSergio Mendesの目に留まり、64年Wanda Saはアメリカへの親善使節の一員に選ばれることとなった。この使節がどのような性格のものだったかは不明であり、軍事政権に嫌気のさしたMendesが海外に活動の場を求めて自ら組織したものなのか。逆に、軍事政権がプロパガンダとして文化使節を送り込んでアメリカ世論の懐柔を図ったものなのか。もしくは、お互いに相手を利用したのか…。

 結果として65年Mendes一行は、活動の場をアメリカに移すこととなる。そして、このBrasil '65をアメリカで録音した。

画像←Capitol ST 2294















 副題として、「ハリウッド録音、コーヒー以来の南米からのものすごい到着品」
 Sunny, Refreshing Voice Of Wanda de Sah
 Featuring Sergio Mendes Trio
 Wandaのヴォーカルが#1、3、6、9、11、その他がTrioのインストで、聴いていて飽きさせない。
 
 尚、Wandaは#1 Samba De Veraoをポルトガル語ではなく英語(英名:So Nice)で歌っており、少し不慣れでたどたどしいところが、いい味を出している。他に#6 Samba De Una Nota So(One-Note Samba)、#9 Deixa(Let Me)も英語で歌われている。
 
 ボサ・ノヴァは63年のGetz/Gilberto(「イパネマの娘」収録)の大ヒットでジャズの亜流とも言われるが、やはりサンバの亜流と言うべきなのだろう。この作品にはボサ・ノヴァの香りがあふれているが、ボサ・ノヴァのアルバムと言い切るには無理がある。やはり、ラテンとかサンバの詰め合わせと表現するのがしっくりすると思う。内容はもちろん◎。

 ここで、ちょっとわき道にそれて、Getz/Gilbertoの復刻状況について、

Getz Gilberto (Sl)
Umvd Labels
2002-10-29
Stan Getz

ユーザレビュー:
イパネマ海岸ににひと ...
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 ↑02年発売のSACD。(ハイブリッドではないので注意。)
 内容は説明不要の名盤。とにかく音質は秀逸で、Getzのサキソフォンの生々しさや、ボンボン弾けるベースが良く聴き取れる。



 従来のCDではGetzとGilbertoのバランスが極端にGetzに偏っていて、 Getz / Gilbertoてな感じだった。特に#1ではAntonio Carlos JobimのピアノやAstrud Gilbertoのヴォーカルに音量を合わせると、Getzのサックスが”でかく””騒々しく”乱入してくることになってしまう。ミックスがおかしくないかと思ったが、あくまでも実質Getzのリーダー・アルバムという位置づけか…(タイトルに名前は併記されているけどね。アメリカではまだ無名のブラジル人ミュージシャンでは、共演といえども仕方ないか。)
 本SACDではGetzは相変わらず”でかい”のだが、音の細部がハッキリしたおかげで”騒々しさ”は緩和されており、聴きやすくなった。また、ライナーノーツは96年のCD復刻時の使い回しだが内容自体は良く、オリジナルのライナー・ノーツも掲載されている。ブックレット内にそれぞれ1ページを使ってジャケットと裏ジャケットが掲載されている。最後にバランスやミックスのことは別として、やはりすばらしい作品なので誤解のなきよう… オススメの1枚。

 話を元に戻して、同じく65年Wanda Saはソロでもアルバムを発表した。

画像←Capitol ST 2325














 Music Arranged And Conducted By Jack Marshallとあり、コンボ・スタイルに流麗なストリングスが加わり、これはこれでうっとりする様なサウンド。

 ボサ・ノヴァのアルバムではあるが、最近はサンシャイン・ポップ?(サンシャインではないな…)、ソフト・ロック?(ロックではないな…)、ドリーミー・ポップで語られることが多い隠れ名盤。Vagamente(ぼんやりした)なヴォーカルは健在で、音程が不安定になるところなどは逆にグッときます。
 とにかく、この人の声と唱方はジャンルに関係なくボサ・ノヴァのように聞こえさせてしまう不思議な魅力を持っている。

 そして、08年米DRG RecordsよりCapitolからの2枚のアルバムが2イン1で復刻された。

Brasil '65/Softly!
DRG
2008-08-19
Wanda de Sah

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 リマスターにより音質は秀逸。Softlyの方は単独でのCD復刻が国内外を問わず行われているが、Brasil '65の方は単独CDでの入手が困難な状況であることから嬉しい限りである。得した気分。オススメの1枚。



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